「みんなのたまご倶楽部」と称し、毎月卵を買えば報酬が得られるとうたっていた“ねずみ講”が摘発された。警視庁によると、ねずみ講の摘発は約10年ぶりだという。

言葉巧みに「ウソのもうけ話」

11月30日午後、一人の男が捜査員に脇を固められながら堂々とした様子で建物から出てきた。

峯岸正治容疑者(58)
峯岸正治容疑者(58)
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男は、車に乗り込む前にカメラに向かって「頑張ってきます」とコメントを残した。

「みんなのたまご倶楽部」と称して“ねずみ講”を営んだ無限連鎖講防止法違反の疑いで逮捕されたのは、東京・港区の運営会社「G-PEX」社長の「峰岸妙光」こと峯岸正治容疑者(58)らだ。

峯岸容疑者らが開いていた中高年対象のセミナー
峯岸容疑者らが開いていた中高年対象のセミナー

「愛がないと、もうビジネスとして派生しません。伝わっていきません。伝播していかない」

峯岸容疑者らが開いていた中高年対象のセミナー
峯岸容疑者らが開いていた中高年対象のセミナー

「ね、これは愛を伝える戦士のビジネス。志士のね」

中高年を相手に峯岸容疑者らが開いていたセミナーの映像には、マイク片手に「ウソのもうけ話」を言葉巧みに語る峯岸容疑者の姿があった。

峯岸容疑者は、入会金を払い、栄養価が高く、高級の卵を毎月購入すれば配当が得られるとうたい、さらに新しい会員を紹介すると追加の配当を得られると説明していた。2021年10月ごろから、全国およそ1万人から合わせて数億円を集めたとみられている。

「おばあちゃんでも、おじいちゃんでも『できない』じゃないよ、ということです。できる証明をして、たった2カ月で24万3750円取る」

「毎月(お金を)欲しいという人。欲しいよね。うち24万3750円配るんだけど、欲しいっていう人。その代わり、あるんだよね。1万3900円で卵を買わないと給料をもらえませんよ」

「年寄りだまして本当に最悪」相談者の大半が中高年

国民生活センターには、2021年11月ごろから、たまごをめぐる相談が十数件寄せられていた。その内容は、「代金を振り込んだが、商品の卵が届かない」「商品が届かず返金してほしいが、電話がつながらない」などで、相談者の大半が中高年だという。

「みんなのたまご倶楽部」のパンフレット
「みんなのたまご倶楽部」のパンフレット

母親が被害に遭ったという人は、「母親が『高級な卵、今度届くからあげるね』なんていう話から始まって。お友達にお勧めされて1カ月1万だか2万だか払って。年寄りをだまして本当に最悪ですよね」と話す。

峯岸容疑者
峯岸容疑者

2022年5月には警視庁と福岡県警が同じ容疑でG-PEXの事務所などを家宅捜索し、捜査を進めていた。警視庁によると、ねずみ講の摘発は約10年ぶりだという。

(「イット!」11月30日放送より)