「歴史的勝利」、「ドーハの歓喜」といった言葉が飛び交うサッカー日本代表の勝利。

前半はドイツに一方的に攻め込まれながら堅い守備で切り抜け、後半30分に堂安律が同点ゴール。38分には浅野拓磨が逆転ゴールと、見事な逆転劇を演じ世界を驚かせた。

ではなぜ日本は、W杯優勝国のドイツを相手に、勝ち点3を獲得することが出来たのだろうか?

FIFAワールドカップ SP解説(フジテレビ系)の中村俊輔氏に聞いた。

ハーフタイムの修正は「試したことないこと尽くし」

――ドイツ戦は2-1で逆転勝利でしたが、どう見た?
W杯が始まる前に、選手たちは自分たちで何かを起こそうと言ってましたが、そういう感じの試合でしたね。期待とか希望はあってもなかなか難しい中、本当に勝つというのは素晴らしかったですね。

前半はああいう感じだったので、ハーフタイムにどう修正するのかと思って見ていましたが、久保(建英)選手が負傷で交代の所に、誰を入れるかだけではなく、フォーメーションも変えつつ冨安(健洋)選手を入れて3バックにした。

僕はあまり3バックを見たことないですし、その後長友(佑都)選手に代えて三笘(薫)選手を入れたり、ワントップを代えて浅野選手にしたり。

“あまり試したことないこと尽くし”を連続して、ワールドカップの中でしか出来ないトライというか、そのトライが選手に乗り移ったというか、伊東(純也)選手は右のワイドやってましたし、そういう力がひとつになった感じでしたね。

『日本がレベルの高い国に勝つためのサッカー』というのはこういうサッカーなんだという、お手本のような勝ち方で良かったですね。

「我慢強いプレーを集団でする」積み上げられた経験 

さらに中村氏は日本が蓄積して来た強みについても語った。

「みんな自分がやれる事をコツコツやってましたし、日本ならではの勝利という感じでしたね。

森保監督も試合後のインタビューで言ってましたが、『我慢強く』ですね。これはやっぱり日本の特徴だと思うし、その我慢強くするプレーを集団ですることが出来ていました

だから前半0-1で終われたのは大きかったですね。それを吉田(麻也)選手や長友選手が鼓舞しながら耐えたのが大きかったと思います」

「日本が、少しずつ少しずつ過去の大会とかを反省して積み上げて来たのものがある感じがしました。

『堅守速攻』でもないですし、しっかり前から3-4-3のフォーメーションでしっかりミラーゲームをしてハードワークしてましたし、『日本のサッカーってこうなんだ』というのを子供たちとか、これからの未来の選手たちに見せられて良かったと思います」

――この先も楽しみですね?
浮つく選手なんかいないですし、実はポジション争いも激しくなる。森保監督が次の試合はどのフォーメーションで行くのか?選手も敏感に感じているでしょうし、引き締まりながら戦えるし、最高の勝利だったと思います。

日本の次なる戦いは11月27日(日)のコスタリカ戦。そして12月2日(金)にはサッカー王国・スペインとの大一番が待ち受ける。成長する日本サッカーが再び世界を驚かし、さらに新しい景色を見せてくれる瞬間が待ち望まれる。

FIFAワールドカップカタール2022
12月1日(木) 深夜2時直前SP~あさ4時キックオフ
日本×スペイン
フジテレビ系列にて放送