みなさんは朝、食事をとっているだろうか?朝食を抜くとエネルギー不足になるだけではなく、イライラしたり集中力が低下するという。さらに幸福度にも影響があるという調査結果もあった。
90%超もまだ足りない
福島県教育委員会が行っている「朝食について見直そう週間運動」は、毎年6月と11月に児童・生徒がきちんと朝ご飯を食べているかなどを調査している。

2022年6月に行われた調査の結果は、朝食接種率が小学校98.2%、中学校95.8%、高校生91.2%。高校生は比較的低くなっているが、90%を超えている。全体では96.4%と、しっかり朝食を食べているように感じるが、教育委員会は「この結果に満足はしていない」と話した。

例えば、小学生は98.2%なので100人に2人くらいは朝食を食べていないことに。高校生だと100人のうち10人近くが食べていないことになる。規則正しい生活をするためにも100%を目指したいと教育委員会は話す。
勉強や仕事にも影響
では、なぜそこまで朝ご飯を重要視するのか?農林水産省によると、朝ごはんを抜くと脳のエネルギーが不足し、イライラしたり集中力が低下して勉強や仕事がはかどらなかったりするそう。
脳は「ブドウ糖」をエネルギー源としていて、実は寝ている間にも使われている。なので、夜ごはんをしっかり食べても朝起きた時には脳にブドウ糖が足りず、エネルギー欠陥状態に。なので、朝食を食べないと勉強や仕事に影響が出てしまうことになる。

「学力と朝食」に関しては文部科学省が「朝食接種率と学力調査の平均正答率との関係」を調べている。※文部科学省令和元年度調査
国語と算数の平均正答率は、どちらも「朝食を毎日食べている」と答えた生徒の正答率が高くなっている。こうした結果からも、しっかり朝ごはんを食べてやる気や集中力を高めることが、学習能力を上げるために大切だということが分かる。

サブスクの朝食
福島県にある会津大学では2016年から、授業に集中してもらおうと朝食を提供するサービスを行っている。現在は、月1500円の定期券を購入すると、平日は毎日朝食が食べられる。
利用する学生は「本当に助かります。1限2限でも食べた後だと、元気になると思うので助かります」「今まで作っていたので、こっちの方がコスパいい」と話す。

食生活が乱れがちな学生をサポートする取り組みで、メニューは和食・洋食・カレーの3種類。普通に頼むと一食400円近くかかるが、定期券では85円ほどで食べられる計算。会津大学によると、このサービスは毎年100人以上の学生が利用しているという。

幸福度にもつながる
2010年に東北大学が行ったアンケート調査「朝ごはんを食べる習慣と幸せ度と生活満足度との関連性」によると、朝食を毎日食べる人は「生活全体での充実度」が65.4%、週2食しか食べない人は53.8%、「経済的な満足度」や「仕事への満足度」をみても朝食を食べる人のほうが自己採点が高いことがわかる。
また「幸せを感じる時」について調査したものでは、「家族と過ごしている時」「旅行に出かけた時」いずれの場合も、朝食を毎日食べている人の割合が高くなっている。

調査を行った東北大学の川島教授は「幸福を感じる基準にも朝食習慣が影響していて、朝食習慣のある人たちは家族との関係や健康など精神的な幸福を感じている。対して、朝食習慣の無い人たちは、経済的な余裕といった即物的な幸せしか感じることができていないとも読み取れる。気持が落ち込みがち、仕事がつまらなくなってきたなどと感じる人は朝食習慣を見直してみては」と話す。

「たかが朝食、されど朝食」...この機会に、朝食を見直してみてはいかがだろうか。
(福島テレビ)