島根・松江市と出雲市にまたがる島根半島・宍道湖・中海ジオパーク。海と山の豊かな自然に恵まれ、沿岸にはダイビングポイントも点在する。その一角、松江市島根町では、2022年から沖合のスポットへ船で繰り出すボートダイビングがスタートした。仕掛け人はIターンの男性。海底には魅力あふれる見どころもある。
Iターンの男性がボートダイビングのスポットを開拓
山と海、豊かな自然が広がる島根半島・宍道湖・中海ジオパーク。その美しい海でボートダイビングを体験するため向かったのは、松江市中心部から北へ車で約30分、島根町の野波海水浴場だ。

日本海を臨むロケーションにあるダイビングショップ「ロコブルー」は、これまで沿岸のポイントでダイビングを行う初心者向けのコースを提供していた。

竹下慧記者:
2022年からこの船を使って沖へ向かう新たなコースも加わりました!
沿岸の2つのポイントに加え、沖合でのボートダイビングが楽しめる8つのポイントが新たに加わった。

案内するのは森廣一作さん。広島からIターンし、2年前、このショップをオープン。これまでなかった島根半島沖でのボートダイビングのスポットの開拓を進めてきたが、一筋縄ではいかなかったという。

LOCOBLUE・森廣一作代表:
去年(2021年)買った船なんですけども、冬の大しけで転覆してきていたんで、今修理中になってます
ボートダイビングのために約80万円をかけて購入したボートは、冬場の大しけで転覆し、エンジンなどに浸水。一時、使用できなくなった。

途方にくれた森廣さんはボートの修理などのため、クラウドファンディングで支援を呼びかけ、200万円以上を調達した。半年ほどたった7月、ボートダイビングを始めることができた。
LOCOBLUE・森廣一作代表:
これだけの人が支援してくれたんだのはありがたいし、感謝しかない
海底に沈む「ハートロック」に迫る
支援者の気持ちにも押され、ようやくこぎだしたボートダイビング。ダイビングのポイントを探すなかで、森廣さんは海中である発見をしていた。

LOCOBLUE・森廣一作代表:
見どころとしては「ハートロック」といって、ハートの形をした岩が沈んでいますので、これを見に行きましょう
海底に沈む巨大なハート型の岩。なんだか神秘的だ。
LOCOBLUE・森廣一作代表:
きょうは天気もいいですし、透明度もいいのできれいに見えると思います。もしかしたら濁っているかもしれないですが楽しみにしていてください
一体、どんな光景なのか?今回、特別にボートを出してもらった。

竹下慧記者:
風が気持ちいいです
港を出て約10分。スポットに着いたようだ。
LOCOBLUE・森廣一作代表:
では到着しました!
重さ10kgほどのタンクを背負い、記者も海の中へ。

水中の透明度は抜群!水深3メートル、指さす先には青く光る熱帯魚。

さらに水深6メートル付近。少し濁ってきたが…アジの群れが見えた。そして…。
竹下慧記者:
あったあった
海底にハートロックを見つけた。

これ以上深く潜るにはライセンスが必要なため、記者に代わってスタッフがさらに近づく。すると、熱帯魚とともに大きなハート型がはっきりと見えてきた。縦横3メートルほどの大きさだ。

LOCOBLUE・森廣一作代表:
ハートロックはどうでした?
竹下慧記者:
思った以上にハート型で、あれみただけで幸せになれそうですね
LOCOBLUE・森廣一作代表:
今見たハートロックみたいに地形も面白いんですよね。幸せになりたいとか、恋人ができますようにとか、恋愛成就みたいになったらいいですよね

海底の「ハートロック」、幸せを呼ぶパワースポットとして売り出せるかもしれない。
クラウドファンディングでの支援も受けながら始まった島根半島沖のボートダイビング。島根の海の魅力をこれまで以上に届けたいと森廣さんは意気込んでいる。

LOCOBLUE・森廣一作代表:
日本海って荒れていたりだとか暗いイメージがあると思うんですが、潜ってみたらきれいだなってわかると思うので、そういうところを感じてもらえたら
(TSKさんいん中央テレビ)