”生徒が移動しやすい。自転車で15分以内で行けるレベルの学校が前提” 大阪府教育委員会は、教員の負担を減らすため、複数の府立高校で1つの部活を運営する計画を公表した。

大阪府が独自計画を発表

大阪府教育委員会が11月8日に公表したのは、複数の府立高校が1つの部活を運営する、大阪府独自の計画だ。

大阪府では、少子化の影響で部員数の減少が進んでいて、ラグビー部では69パーセントが、試合に必要な人数に達していない。

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また、教員のおよそ半数が、部活動などを理由に年間360時間を超える時間外労働をしているということで、複数校による合同運営によって、部活動の活性化と教員の負担軽減を両立させる狙いだ。

大阪府 吉村洋文知事:
(合同運営する学校は)生徒が移動しやすい、自転車で15分以内で行けるレベルの学校に絞るということをまず前提としています

国は中学校の部活動を地域の指導員などに段階的に移行する方針だが、吉村知事は財源などを理由に地域移行には慎重な姿勢で、合同運営は2023年度から原則、全ての府立高校で導入を検討していく方針だ。

外部委託と合同運営 どちらがいい?

国が目指す外部委託は、スポーツの専門知識を持つ人が指導員になる。教員が休日に休めるなど、負担軽減にもつながる。一方、指導員の人材費などの財源や、保護者の費用負担といった課題もある。

大阪府が来年度か導入を検討している複数校での1部活は、近隣校でペアを組む方式だ。顧問はいずれか1校の教員で済し大きな費用もかからない。しかし、特定の教員の負担が増える恐れがあり(部活指導員の増員で対応することも検討)、生徒の他校への移動が必要になるという課題がある。

 関西テレビの神崎デスクは、自転車で移動できない場合の交通費の問題を指摘する。

関西テレビ 神崎デスク:
原則は自転車で15分で行ける距離、ということですが、組み合わせが見つからないところなど、電車での移動が必要になるようなら平日は難しい。そういうところは土日のみの活動になると思いますが、交通費はどうするといった話もまだ決まっていません

 少子化や学校の統廃合もある中、学校の部活動の在り方が、大きく変わっていきそうだ。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月8日放送)

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