日ごとに秋が深まり、イベントを楽しむ人や紅葉狩りに繰り出す人で各地がにぎわっている。一方、行楽シーズンで憂鬱になるのが“渋滞”だ。この問題を解決するため、高野町がシャトルバスを運行する「社会実験」を行った。

行楽シーズンとともに恒例の「渋滞」も…

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「紅葉まつり」でにぎわった大阪府の「万博記念公園」の周辺道路では…

 記者リポート:
万博公園に続く、周りの道が混雑しています

渋滞問題解決に向けた「社会実験」

この問題を解決するため、和歌山の高野山で「社会実験」が行われた。紅葉の名所として知られる和歌山の高野山。

取材班が訪れた10月末は、まだ色づき始めたばかりだったが、早くも観光客でにぎわい、駐車場はどこも満車の状態。

高野町によると、この周辺には約700台分の駐車場を設けているが、1年で最も観光客の多い紅葉シーズンは、多い時で約8000台の車が訪れる日もある。

いつもなら30分ほどで通過できる道が、3時間かかることもあるということだ。

高野町 平野嘉也町長:
「(観光客が)高野山に行って大変やったな…」っていうようなこともありますし、住んでいる方が生活しているので、その中で日常生活にも影響が大きく出ていた

そんな渋滞の問題を解決するため、高野町が実証実験を行った。シャトルバスの運行だ。寺院が集まるエリアと1~3キロ離れた区間に臨時の駐車場を設け、無料のシャトルバスを15分間隔で運行。高野町を代表する「金剛峯寺」の拝観料1000円が無料になる特典もついてくる。

シャトルバスを利用した人:
環境にもいいですし、いい取り組みだと思いました。近くで降ろしてくれるし、簡単というか分かりやすいし、便利だと思います

シャトルバスを利用した人:
(シャトルバスが)ちょっと混んでるので、もう少し本数増やされた方が、皆さん快適に移動できるかなというふうに思いました。無料拝観券もいただいて、すごくラッキー。

 

シャトルバスの評判は上々 

もちろん、課題もあるが利用者の評判は上々。高野町によると土日の2日間でシャトルバスを利用した人の数は約1700人。目立った混乱はなく、車の流れは「平日並み」でスムーズだったということだ。

高野町 平野嘉也町長:
今回の交通実証実験を契機に、皆さんに色んな課題を出してもらって、当然来ていただく方にも出してもらって、そして住民にも意見を出してもらって、将来における交通計画をしっかり考えていきたい

今回の実験から課題を整理し、いかに普及させていくことができるか今後に注目される。

(関西テレビ「報道ランナー」11月3日放送)

関西テレビ
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