「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など、ジブリの世界観を楽しめる「ジブリパーク」がオープンした。
展示に長蛇の列、グッズ購入に11万円…にぎわう園内 年内の券は完売
「となりのトトロ」に出てくる「ネコバス」で遊ぶ子どもや、「天空の城ラピュタ」に登場する「ロボット兵」を見上げる人たち。ジブリ作品の世界観を体験できるジブリパークが11月1日、愛知県長久手市の愛知万博跡地にオープンした。

午前10時、「ジブリパーク、オープンでーす!!」の案内が響く。事前予約でチケットを購入したジブリファンが、全国各地からつめかけた。

もともと温水プールだった建物を改修して作られたメインエリア、「ジブリの大倉庫」。中でも、ジブリ作品の名場面の一部になりきることができる「ジブリのなりきり名場面展」には、オープン直後から、長蛇の列ができていた。
「千と千尋の神隠し」の「カオナシ」と、名場面の一部になりきったファンは「全体的に作り込んであるので、見ていて楽しかったです」と声を弾ませた。

一方、たくさんのグッズを買い込んだ女性は、「70点で(総額)11万円いきました」「きょうは散財しようという心持ちで」と笑顔を見せた。
ジブリパークにはこのほか、「耳をすませば」の世界を再現した「青春の丘」と、となりのトトロをモチーフにした「どんどこ森」エリアもある。
そこには、宮﨑駿監督そっくりに仮装した人も。

宮﨑駿 監督の仮装をした人:
チケットは持ってないです。無料エリアがあるということで、そこだけでも、雰囲気だけ味わおうと思って
ジブリパークのチケットは、すでに12月分まで売り切れ。11月10日から、2023年1月分の先着順と2月分のチケットが販売される。
テーマパークの“新しい選択肢” 希少感ある「ジブリ」の経済効果に期待
このニュースについてLive News αでは、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
三田友梨佳キャスター:
ジブリの世界を再現した新しいパーク、どうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト 渡辺広明さん:
このジブリパークは、緑の中にある“持続可能なテーマパーク”を目指しているのではないかと思います。関東にはディズニーリゾート、関西にはユニバーサルスタジオジャパンがあり、新しい乗り物やアトラクションを次々と登場させ、それで成功しています。
一方ジブリパークは、乗り物やアトラクションは用意していない。緑の中に再現した「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など、ジブリの世界観にいることを楽しむ場所になっている。東京にある「ジブリ三鷹の森美術館」の大成功の例があり、今回のジブリパークのオープンに繋がっているのではないかと思います。
テーマパークのあり方についてはどちらが正しいというのではなく、我々訪問者にとっても違う楽しみ、様々な選択肢があることはとても歓迎すべきことではないかと思います
ーージブリの人気キャラクターと過ごす休日というのも、想像しただけで楽しそうですね
ジブリは人気キャラクターを多く持ちながら、アパレルや食品でのコラボも少ないので、希少感がある。これは、やはり世界観を大事にしていることの表れではないかと思います。
作品の世界観を楽しむためには、いわゆる“聖地巡礼”と称して、ゆかりの場所を訪問することが流行していますが、ジブリの作品の場合はその“聖地”も多くないため、その代わりの役割もパークが果たすのではないかと思います。
さらに今後、ジブリ作品は中国など海外でも人気があるため、インバウンド需要も期待できるのではないでしょうか

ーー世界にファンは多いですからね。地元自治体にとっても訪問客増加の期待がありそうですね「愛・地球博」の万博会場の跡地がいま、県立公園になっており、その一部に今回のジブリパークが作られました。
愛知県は、1年間の来場者は180万人、経済効果は480億円と試算しています。平日のメインエリアは、入場料は大人2千円、もちろん子ども料金は安く設定されており、家族で過ごす休日の選択肢として定着するのではないでしょうか。
今回の、ジブリをパートナーにした愛知県の地域振興策が成功すると、これに続く例がたくさん出てくるのかもしれません
三田友梨佳キャスター:
2023年の秋以降は「もののけの里」と「魔女の谷」エリアがオープンする予定ということで、今後さらに盛り上がりを見せそうです
(「Live News α」2022年11月1日放送より)