今村聖奈は「負けず嫌い」そして何より「馬と戯れること」が好き。記録ずくめの18歳女性ジョッキーが見せた芯の強さと競馬愛

女性騎手としての新たな歴史を刻み続ける今村聖奈騎手。

10月22日に藤田菜々子が持つJRA女性騎手の年間最多勝記録に並ぶと、翌日には最多勝記録を更新。45勝まで記録を伸ばした。

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そんな彼女もカメラの前では「めっちゃ自慢の笑顔です」と、少し照れながら笑顔を見せる18歳だ。

競馬界を沸かせるルーキー・今村聖奈騎手の“熱い想い”と、知られざる“素顔”にS-PARKの新人キャスター・松﨑涼佳アナウンサーが迫った。

今村聖奈を知ることができる10の質問！

ーーお願いします。きょうは秋らしい服装ですね？
ジョッキーじゃないところは、少し女性らしさを出していかないといけないかなと思って（笑）。ハイ！

今年2月に競馬学校を卒業したばかりの今村は、新人女性騎手の最多勝記録を22年ぶりに更新すると、さらに女性騎手で史上初となる、重賞初騎乗初勝利の快挙を達成してみせた。

新人としては異例の年間50勝を上回るペースで、レジェンド・武豊騎手のルーキー時代（69勝）にも迫る活躍を見せている。

武騎手も「スタートがうまいなと思いますし、落ち着いていますよね。あと馬の特徴もつかむのが上手なのかなと思います」と高く評価。

そこで、競馬界のニューヒロイン・今村聖奈騎手に「10の質問」をぶつけてみた。

ーーひとつめです。競馬を始めたきっかけは何でしょう？
父の影響で競馬を始めることになりました。

ーー自分の性格を一言で表すなら？
負けず嫌いです！

ーー好きな言葉は？
万里一空。

ーー大人になったと感じる瞬間は？
自分のお金で好きなものを買えること。

ーー初給料で最初に買ったものは？
母へのプレゼントを買いました。

ーー今村騎手にとってGIとは？
小さい頃からずっと見てきた大きいレースというイメージです。

ーー今村騎手の強みは？
一回一回リセットできることが強みだと思います。

ーーここまでのシーズンご自身で点数をつけるとしたら？
60点です。

ーー休日の過ごし方は？
その日の気分によって決めます。

ーーストレス発散法はありますか？
寝ること、馬と戯れること。

「みんなと一緒がスゴく嫌」答えから見える芯の強さ

今村が好きな言葉として挙げた「万理一空」とは、「世界のすべては同じ一つの空の下にある」という見方を表す表現で、冷静に物事に当たる境地を示すとされている。転じて、一つの目標に向かって精進するという心構えを表す言葉である。

18歳の彼女がこの言葉を選んだ理由を聞くと、「（この言葉は）目標に向かって努力を続けてコツコツ頑張ることなんですけれど、みんなと一緒がすごく嫌で、みんながあまり言わないような四字熟語で私に似合う物がないかなと思って探してたら見つけました」と明かす。

さらに自分の性格についての質問に、「負けず嫌いです。ハイ」と即答した今村騎手。

「自分の中で『悔しいな』って思ったレースは、その日に見ると、すっごいもどかしくなるといいますか、うぅ～ってなるので、ちょっと日を開けてからレース見るようにしています」

ーー冷静に見られるまで待つ？
（当日は）見られないです、もう。

実際、この日のインタビューでも“負けず嫌い”が伝わる言葉が何度も飛び出していた。

「負けたくないっていう気持ちが…」
「教官になんで私1位じゃないんですか…」
「めちゃくちゃ悔しかったし、めちゃくちゃ面白くなかった」
「他が勝っていたら許せない」

負けず嫌いが伝わる言葉の数は、なんと25回。

そんな負けん気と、努力の積み重ねを強みにしてうち立てた数々の記録。
躍進の秘密はこの質問の答えにも隠されていた。

ーー今村騎手の強みは？
一回一回リセットできることが強みだと思います。
デビュー当初はリセットできなかったです。正直2着が続くとスゴく悔しいし、もう早く勝ちたいなと思うんですけれど、やはりその気持ちが出れば出るほど焦ってしまう部分があるので。
今はやっぱり一頭一頭、しっかり向き合って、レースに乗れてるんだと思います。

競馬への情熱の中に、しっかりと土台を張る冷静さ。
ルーキーでは断トツの43勝を挙げていながら、自己採点で「60点」と低めな採点にもそれは現れる。

ーー思った以上に、厳しい自己評価でびっくりしました。
一年前の自分ってまさか今ここで、こういうインタビューを受けているなんて、まったく思っていなかったですし、逆に言えば何個勝っているかなぐらいの、「ちゃんと乗れてるかな私」ぐらいの考えだったかなと思います。

自分をクールに見つめる姿勢が、今村騎手の成長を促しているのかも知れない。