2011年3月11日に起きた東日本大震災から9年経ち、被災地では復興が進んでいる。

街並みやインフラの整備も大方完了したように見える。

しかし、人々の「心の復興」はいまだ道なかば。むしろ、失った命やふるさとへの思いは強くなる一方だという。

一般財団法人オーバーザレインボウ基金の代表で、音楽家のかの香織さんは、震災当時から歌を通じた被災地支援を行ってきた。

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その過程でかのさんは、「お年を召した方に『聴きたい歌は何?』と聞いたときに『校歌かな…』と言われて。震災を機に閉校、廃校になっている学校が多いので、そのまま校歌が無くなってしまうのは、私はとても耐え難いと思った」と年配の被災者の言葉を受け、廃校の校歌を録音して未来に伝える「校歌プロジェクト」を立ち上げた。

卒業生たちが歌い継ぐ校歌

番組が取材したのは、宮城県山元町の中浜小学校のプロジェクト。

響き渡る懐かしい校歌は、この小学校の卒業生たちが歌っている。校歌を録音するため、さまざまな年齢の卒業生たちが集まった。

あの日、中浜小学校では児童・教師ら73人が屋上に避難し、全員が助かった。

しかし、町の9割が津波で壊滅し、多くの命を守った学校も2013年に閉校となった。

震災当時、教師だった女性は「あの一晩の時間がものすごく強烈なので、これから地域の人たちと頑張っていきたいなという気持ちで歌った」と、自身が参加した校歌プロジェクトを振り返る。

宮城県出身の音楽プロデューサーやアーティストの協力の元、高音質で録音された卒業生たちの歌声は、youtubeで公開された他、地域住民にはCDが無料配布されている。

復興の心を校歌でつなぎたいという思いを抱くかのさんは「災害県だけでなくて全国に本当に大変な思いをしている人たちがたくさんいるので、そういう人たちに届くような校歌プロジェクトを広げていきたい」と語った。

一般財団法人オーバーザレインボウ基金
https://orf.jp/index.html

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