福岡市の市議会議員の女性が、ライバル候補になりすまし、旧統一教会と親密な関係があるとしたビラを配布した。本人は事実を認めた上で辞職の意向を示している。

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2022年8月、ライバル候補になりすまし、旧統一教会と関係があるとした偽のビラを配った、福岡市議の堀本和歌子議員(41)。

堀本市議は、参政党に所属する元衆議院議員の新開裕司氏になりすまし、ビラを配っていた。

参政党所属 元衆議院議員の新開裕司氏
参政党所属 元衆議院議員の新開裕司氏

「韓鶴子様に…」旧統一教会との関係をアピールする“偽ビラ”を配布

そのビラには、新開氏の名前でこう書かれていた。「旧統一教会の式典で元衆議院議員として偉大なる韓鶴子様に韓日トンネルへの賛意と祝辞を述べさせていただきました!」

防犯カメラの映像には、紺のキャップに黒のマスクを身につけた堀本市議とみられる人物が、集合ポストにビラを配るような様子が映っていた。

堀本和歌子議員(2019年6月):
命がけでやれば未来は変えられると政治に携わる決意をして今この場に立っている次第です。

日本維新の会に所属する堀本市議は、元モデルでアパレルブランドを起業した経験を経て、2019年の福岡市議選で博多区から出馬し初当選した。

堀本市議はなぜ新開氏を狙ったのか。

前回の市議選では124票差…“ライバル候補”だった

新開氏は2023年春の市議選で博多区から出馬を検討している、堀本市議にとってのライバル候補だ。2019年の市議選では、堀本市議が最下位で当選したが、新開氏は124票差で落選していた。

このビラを作った理由について、堀本市議はFNNの取材に応じ、こう説明した。

堀本和歌子議員:
なりすましたつもりではそのときはなかったんですよね。ツイッターにもそんな風に上がっていたので、真実をそのまま印字したっていう形です。有権者のために事実を、本当にこれは、事実を知ってほしいということを思ってやったことであるんですよね。

その上でこう釈明した。

堀本和歌子議員:
新開さんを陥れるとか、そういうことではなくて。罪にならなくとも、社会通念上、ちょっと申し訳なかったと思っています。私が行った行動に関しては、本当にもう反省すべきであると。本当に重々に承知しております。本当に申し訳なく思っております。

堀本市議は今回の騒動で議員辞職の意向を示す

一方、被害に遭った新開氏は3年前に教団主催の式典でスピーチしたことを認めた上でこう話した。

新開元衆院議員:
個人的に恨みを買うようなことはないんだろうと思うんですけれども、そういう意味では非常に残念ですね。

新開氏は警察に告発。堀本市議は私文書偽造の疑いで、警察から任意の事情聴取を受けたという。

堀本市議が所属する日本維新の会の藤田幹事長は…。

日本維新の会・藤田幹事長:
政治倫理上よろしくないと思いますので、本人が説明すると言っていますから、それについてはそれを見て(対応を)判断する。

一方、新開氏が所属している参政党の神谷副代表は…。

参政党・神谷副代表:
(新開氏)本人もすごく困っていましてですね。嫌がらせのようななりすまし、誹謗中傷はぜひともやめていただきたい。

今回の件を受け、議員を辞職する意向を明らかにした堀本市議。あさってにも自ら経緯や進退について説明するとしている。

(「イット!」10月26日放送より)