9月、史上最年少の9歳4カ月でプロ棋士になった藤田怜央初段(9)が、10月25日にプロとして初めての公式戦に臨んだ。プロといってもまだ小学3年生の藤田初段、16歳先輩のお兄さん相手にどんな対戦をしたのか?

対局相手は「新人王戦」ラストチャンスの25歳

午前10時前、はにかみながら対局会場である関西棋院(大阪市・中央区)に登場した藤田怜央初段。プロ初の公式戦となる「第48期新人王戦」予選に臨んだ。

9歳4カ月でプロ棋士になった藤田怜央初段(9)
9歳4カ月でプロ棋士になった藤田怜央初段(9)
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会場のスタッフ:
ここに座ってみて

身長が低いため、対局席の座布団を積み上げて高さを調整
身長が低いため、対局席の座布団を積み上げて高さを調整

初めての公式戦に臨んだ藤田初段は小学3年生。身長が低いため、関係者が対局席の座布団を積み上げて高さの調整を行う。

会場のスタッフ:
座布団どれがいい?1枚、2枚、3枚?

藤田怜央初段:
2枚(笑)

座布団の枚数を確認
座布団の枚数を確認

9月に9歳4カ月で囲碁史上最年少のプロ棋士となり、一躍注目の的となった藤田初段。デビュー戦とあって、ソワソワと落ち着かない様子だ。

会場のスタッフ:
対局者入ります

相手の渡辺貢規四段(25)は2013年にプロになり、翌年には「関西棋院新人賞」を獲得した期待の若手棋士。25歳は「新人王戦」最後のチャンスとあって、相手が誰であろうと負けられない。

勝負メシはお母さんのお弁当 師匠も見守る

序盤は積極的に戦った藤田初段。お昼ご飯は、お母さんの作ったとんかつとおにぎりのお弁当を食べてエネルギーチャージ。しかし、時間を追うごとに徐々に厳しい展開に…。

この対局を心配そうに見つめていたのが、藤田初段の師匠である星川拓海五段(39)だ。

師匠・星川拓海五段:
ちょっと予想外の一手があって、これがかなり力が入りすぎた一手に見えますね。そこを渡辺四段に突かれて、ちょっと今つらい手を何手か打たされている状況

対局で藤田初段が椅子にのけぞっている姿を見て、こう分析した。

師匠・星川拓海五段:
こうなっているのは、もう「ちょっとこれはダメだな」っていう感じ…。普段の練習対局でもこういう風になったら、だいたい諦めモードに入っている

さらに星川五段は、藤田初段のある目線に気付いた。

師匠・星川拓海五段:
相手の扇子を見てましたね。結構、扇子が好きでコレクターなんですよ。しかもちょっと珍しいタイプの扇子なので、それが気になってる目線でしたね

対局相手・渡辺貢規四段(25)の扇子が気になる様子?
対局相手・渡辺貢規四段(25)の扇子が気になる様子?

対戦した渡辺四段「9歳とは思えなかった」

結局、対局開始から4時間で藤田怜央初段が投了。ほろ苦いデビュー戦となった。

Q. 普段通りできた?

藤田怜央初段:
……。

Q. 緊張した?

藤田怜央初段:
うん

無言のままの藤田初段に対し、渡辺四段は…。

渡辺貢規四段:
最初の方で、たまたまうまくいった…

藤田怜央初段は、次の対局で現在の囲碁・最年少勝利記録10歳4カ月の更新に挑む。

(関西テレビ「報道ランナー」10月25日放送)

関西テレビ
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