信号がない横断歩道で止まらない車。危険な実態を取材した。

手を上げても通り過ぎる車に「怖い」

横断歩道を渡ろうとする歩行者の前を、止まることなく通り過ぎる車。
1台だけではない。
他の場所でも、なかなか車が止まる気配はない。1台、2台、3台、4台と車が止まることなく通り過ぎていく。

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子どもたちが手を挙げて合図しても止まらない。

近くに住む人に話を聞くと、「結構スピード出していく車があると、ちょっと怖いなって…」と話す。
信号機のない横断歩道で、歩行者がいるのに一時停止をしないのは、交通事故の一因にもなる違反行為だ。

果たして、どれだけの車が止まるのか。
今回、JAFが行った最新の調査結果が明らかになった。
歩行者が渡ろうとしている信号のない横断歩道で車が一時停止する割合は、39.8%。

調査を開始した2016年以降、一時停止をする車の割合は増加し、改善傾向にある。

それでも6割もの車が一時停止をしない現状に、JAFの担当者は危機感を感じている。

JAF東京支部・杉本 実さん:
(車側は)自分が止まっても対向車が止まらないので危ないとか、後ろに車が続いてきてないので、自分が行けば歩行者が渡れると思う…そういうことで止まらない人がいる

「全国ワースト」も啓発動画で改善か

東京に限った一時停止率は、全国平均を下回る27.3%。

10月25日、東京・大田区の住宅街では、「横断歩道注意」の看板がある前を、車が一時停止せず通り過ぎていった。
朝の通勤時間帯、横断歩道に歩行者や自転車がいる状況で止まった車は、36台中6台。近くに住む人は、「狭い道ですからね、余計危ないです」と話す。

FNN取材班が訪れた栃木県の横断歩道では、多くの車が一時停止。歩行者も「以前に比べると、結構止まっていただけるんじゃないですか」と感じていた。

ここ栃木県は2018年の調査で、一時停止率が0.9%と全国ワーストだった。

それを改善しようと、県警などが啓発動画を作成。「そろそろ止まって栃木県!」と訴える動画がテレビやインターネットで紹介された効果か、現在では全国平均を上回る一時停止率44.9%を達成するまでに改善された。

(「イット!」10月25日放送より)