「ドォーン」と鼓膜を大きく揺さぶる爆発音に「キャーッ」と電車内に響きわたる悲鳴。九州を回る楽しい社員旅行なのに、なぜ悲鳴や爆発音が!?
他では決して体験できない新たな旅行ツアーが、福岡で誕生した。
歴史ある「キハ列車」の運転体験…という名目で
今回の舞台は福岡県福智町にある平成筑豊鉄道金田駅。笑顔で現れた、筑豊アクションプロジェクトの永芳健太さん。永芳さんは爆破を使った町おこしのスペシャリストで、これまでも爆破を利用した奇抜な企画を実現してきた。
この記事の画像(19枚)そんな永芳さんが新たに考案した、とっておきの企画とは。
筑豊アクションプロジェクト・永芳健太さん:
JTBさんとの企画になるんですが、爆破ドッキリツアーというタイトルでやっております
爆破にドッキリ…。大手旅行会社JTBと「より特別なツアーを」と生み出した企画の詳細は?
永芳健太さん:
あちらに見える列車の運転体験ができるという名目で来て頂いていて、線路沿いで爆発が何発も起こるというドッキリのスタイルで行おうと思ってます
ただでさえ大迫力の爆破に、今回つけ加えられたのはドッキリの要素。題して「ドッキリ爆破ツアー」なのだ。
ドッキリに使われるのは、50年以上前に登場した歴史あるキハ列車。貴重な列車の運転体験を行うという名目で実施する。しかし、運転体験がメインというのは真っ赤なウソ。仕掛け人が列車の運転を始めると突如、線路の左右で激しい爆発が発生。貴重な列車の運転体験は、恐怖のドッキリ爆破列車となるという演出だ。
ちなみに取材班は、歴史ある列車の運転体験取材という話で車両に乗り込んでいる。
永芳健太さん:
各方面プロの方に集まっていただいておりまして。上手くいくといいなと思います
サプライズ誕生日祝いのお返しに“爆破”
到着した2台の観光バス。ターゲットとなる一行だ。大阪からの社員旅行で九州各地をまわったあと金田駅にやって来た。
そして、今回の仕掛け人は社長の河野裕さん。自身の誕生日をサプライズで祝ってもらったことから、“サプライズ返し”をしたいとこのツアーを選んだという。
仕掛け人・河野裕社長:
うひゃーと悲鳴をあげてほしいな、と思っております
何も知らない一行は、キハ列車の歴史について一通り説明を受け列車内へ。みなさん観光を楽しんでいる様子。
しかし、そんな和やかな時間もここまで…。歴史ある貴重な列車がドッキリ爆破列車へと変貌する。乗客一行がこれから起こることを知る由もなく過ごす中、列車はゆっくりと動き出した。
爆破まで5、4、3、2、1!そして響く激しい爆発音!
ドッキリを仕掛けられた社員:
おぉ!え!?
ドッキリを仕掛けられた社員:
うぉー!え!?
ドッキリを仕掛けられた社員:
なになに、なになに?
突然の爆発音に騒然とする車内。しかし、メインの爆発はここから。再び車外で爆発音が、1回、2回、3回。
ドッキリを仕掛けられた社員:
きゃーーーーーー!
ドッキリを仕掛けられた社員:
うわああああああああ!
社員たちの悲鳴が響く中、列車はようやく停止した。
ドッキリを仕掛けられた社員:
びっくりしました。あそこにテロ対策とか書いてたから
ドッキリを仕掛けられた社員:
こんな仕掛けがあるなんて(笑)
爆破ドッキリは大成功!河野社長も笑顔がこぼれる。
河野裕社長:
おつかれさまでした。やりすぎましたかね(笑)僕も運転に集中しすぎて、爆破どころじゃなかったです
その後も一行は爆破を満喫して、無事ツアーを終えた。
知名度急上昇 にぎわいの起爆剤に
筑豊アクションプロジェクト・永芳健太さん:
筑豊とか、こういうあまり観光する場所がないような所に、わざわざバスや飛行機に乗ってきて頂いて、派手な爆破だけじゃなくても、いろんなアイデアとかドッキリのツアーをやりたいと思ってます
筑豊アクションプロジェクトの活動は開始して3年ほどだが、これまでにイベントや旅行ツアーに参加した人は全国各地から1000人以上にのぼっている。また、CMや番組のロケの対応数は70を超えた。
今回のツアーで金田駅を貸し出した平成筑豊鉄道は、こうしたイベントによって少しずつ知名度が上がってきたそうで、バラエティ番組のロケ地としての問い合わせも来ているという。今後は映画やCM撮影の誘致など、町全体に賑わいをよりもたらす起爆剤になればと期待していた。
このドッキリ爆破ツアーは、すでに関西や中京エリアなどから申し込みが複数入っていて、JTBは「興味があれば気軽に問い合わせてほしい」と話している。
(テレビ西日本)