■鉄道とバス、両方の魅力を兼ね備えた次世代交通システム

先頭車両だけに運転手が乗り、無人の大型バスが後に続く。ピタリと並んで走行し、発車停止にタイムラグはなく、扉も一斉に開く。速さに優れた鉄道と、柔軟な対応ができる路線バス。ふたつの魅力を兼ね備えた日本初の次世代交通システムの実験が行われている。 

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 線路を敷き列車を走らせてきたJR西日本がいま実証実験しているのは、アスファルトの上、大型のバスが3台、ピタリと並んで走る。

これは、日本で初めての実用化を目指して開発が進む「自動運転・隊列走行BRT(バス高速輸送システム)」だ。

■後続車が前を走るバスを自動で追いかける

 運転席ではハンドルがくるくると自動で動き…前を走るバスを追いかけ、15m前後の車間距離で走る。

 これを可能にしているのがソフトバンクの通信技術。バスとバスの間で通信が行われ、発車や停車の指示がタイムラグなく共有されているのだ。先頭のバスで扉を開くと…後続車まで一斉にオープン。

■鉄道のスピードとバスの柔軟さ、両方のメリットを備える

 目指すのは、先頭のバスにのみ運転手が座り、後続車は無人で運行する鉄道のようなスタイルだ。

専用の道路を走ることで鉄道のようなスピードと定時性を備えながら、停車場所など柔軟な対応ができるバスの特徴が発揮できる。

 さらに、鉄道に比べ整備や運転にコストがかからないため、人口減少が進む地方などで新たな交通手段として期待されている。

■2020年代半ばの実用化を目指して実験中

JR西日本イノベーション本部 久保田修司部長:
通信技術がこれだけ発達して、線路のような軌道・ガイドがなくても進んでいける。さらにフレキシブルなサービスができるんじゃないかなと

現在は時速30キロまでテスト済みで、目標は60キロ。2020年代半ばの実用化を目指す。

(関西テレビ「報道ランナー」10月17日放送)

関西テレビ
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