政府は現行の健康保険証を2024年秋までに原則廃止し、マイナンバーカードへの一体化を目指すと正式に明らかにした。

河野太郎デジタル相:
2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す

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河野デジタル相はこう述べ「国民や医療機関の理解が得られるよう丁寧に取り組む」とした。

また、運転免許証については2024年度末に予定していた、マイナンバーカードへの一体化の前倒しを検討。

さらに、スマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載できるサービスを、2023年5月11日からアンドロイド機種についてスタートさせるとしている。

マイナンバー制度は2016年1月の運用開始から、まもなく7年が経とうとしているが、2022年9月時点の交付率は49.0%と、国民の半数が「持っていない」ことになる。

保険証とひもづけるということは、マイナンバーカードの事実上の義務化ではないのかという声も上がっているが、持っていない人は必ず持たなければいけないのか?

イット!では宮司愛海キャスターが河野デジタル相に直接質問してみた。

河野デジタル相 マイナンバカードは「パスポートのようなもの」

午前10時に始まった会見。河野大臣からの説明は約7分で終了し、その後の質疑応答が行われた。

宮司愛海キャスター:
マイナンバーカード普及率が国民の約半数という中で、健康保険証や免許証との一本化は、残りの半数に浸透させる、普及させるための策と捉えていいのでしょうか?

河野太郎デジタル相:
これからデジタル社会をつくっていく中で、やはりさまざまな基盤整備をしていかなきゃいけない。マイナンバーカードというのは、いわば(デジタル社会の)入り口を開くパスポートのようなものだと思いますので。そのためには普及して利用していただかなければいけませんので、そこは広報を含めきっちりやっていきたいと思います

宮司愛海キャスター:
利便性という意味では、利用者にはとても便利になるとは思うのですが、取り残されてしまうような人たちに対して、どのようなサポートをしていかれるかという点に関してはどうお考えでしょうか?

河野太郎デジタル相:
免許証であれ、保険証であれ、あるいはその他のカードであれ、今いろんなものが使われているわけですから。中には(申請が)難しい方もいらっしゃるかと思いますけれども、いくつかの類型の方々にどのように使っていただくのかというのは、これからしっかり詰めていかなければいけない部分だと思っています

義務化ではない?申請しない場合はどうなる?ポイント解説

イット!のスタジオでは…。

宮司愛海キャスター:
質疑応答を含めて、21分間の大臣会見。その後に行われた約1時間の担当者のお話を聞いてきたのですけれども、もちろん全てのことが実現すれば、とても便利になる未来が待っているという期待感もあったんですが。実際にそこに向けてどんなことを具体的にやっていくのかということに関しては少し「う~ん」という、明らかにされない部分も多かったのかなという、感想を持ちました

宮司愛海キャスター:
事実上の義務化では?という質問があったのですが、こちらに関しては河野大臣「ご理解をいただけるようにしっかり広報していきたい」と回答しました。同じ質問を担当者に聞くと「義務化はしない」とおっしゃっていました。あくまで利便性を高めて安全性をアピールして取得率を高めていく。それに尽きるといった答えをいただきました。義務化ではないということなのですね

宮司愛海キャスター:
では、申請しなかった場合にどうなるのか。現行の紙の保険証を2年後の秋から全く使えなくなるのかというと、全く使えない“無効化”をするのか、別のシステムをつくって使えるようにするのかなどは「まだこれから検討します」ということでした

宮司愛海キャスター:
健康保険証がなかったら、医療保険は受けられないのか?という質問には「保険料を支払っている人が保険医療を受けられないということは制度上あり得ません」という回答を受けまして。本当に詳しいことに関しては、これからどんどん検討していくといった回答でした

紛失したら再発行まで“1カ月強”?

宮司愛海キャスター:
“マイナ保険証”を持っている人が、もし無くしてしまったら、紛失してしまったら。再発行の時間がどのくらいかについては「自治体によってももちろん違うが、少なくとも大体2週間くらいでしょう」「実情は1カ月強くらいかかるんじゃないか」という話でした。ただ“期限付きの証明書”など、現在と同様の対応も検討していくということでしたので、本当に検討、これから決めていきますと。そういった内容だったように感じました

榎並大二郎キャスター:
河野大臣が何か言葉を選びながら話しているような、慎重な様子が印象的でしたけれども、病院は大小ありますから、小さい病院でもスムーズに対応できるのか。利用の中心は高齢の方も多いと思うのですが、戸惑わないのかなという懸念もうかがえましたよね

宮司愛海キャスター:
そうですね。柳澤さんはどうご覧になりましたか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
手続に慣れてない高齢者もしっかりできるような、そういう仕組みづくり、丁寧な説明してほしいと思います。その1点に尽きると思いますね

宮司愛海キャスター:
2年後に早速導入されるわけですから、本当に細やかな説明、細やかな対応を政府には求めたいと思います

(「イット!」10月13日放送より)