銃撃事件で死亡した安倍元首相を「国賊」と呼んだのか、呼んでいないのか。10月12日午後4時半過ぎ、渦中の自民・村上誠一郎議員(70)が記者会見を行った。
“国賊発言”の記憶は「ない」と否定
自民・村上誠一郎議員:
発言を撤回し、深くおわび申し上げます。ご遺族におわびにお伺いしたいと思います。今日に関するコメントは以上であります。

終始“ノーマスク”で一方的に話す村上議員。約1分で立ち上がり、会見を切り上げようとする。
記者から質問され、渋々席に着いた。
自民・村上誠一郎議員:
ああいうなんというか(国賊という)意図は全くなかったんでね。

そして、再び退席しようとする村上議員に記者が問いかけると、今度は立ったまま答えた。
――国賊という発言は実際にした?
自民・村上誠一郎議員:
だからさっき言ったように、そんな意図は全然なくてね。
――言われた記憶はない?
自民・村上誠一郎議員:
正直言って今でもないです。

“国賊発言”をした記憶はないとしながらも、遺族におわびしたいと述べた。
党紀委員会は1年間の役職停止処分に
これまで、安倍元首相の政策に反発してきた村上議員。9月末に安倍元首相を「国賊」と呼んだと一部で報じられると、安倍派の議員が猛反発し、党の執行部に村上議員への厳しい処分を求めていた。

こうした中、自民党は10月12日、村上議員の処分を検討する党紀委員会を開いた。党紀委員会は村上議員の「国賊発言はあった」と判断。1年間の役職停止処分とすることを決定した。

処分の理由について、安倍派に所属する衛藤晟一党紀委員長は…。
自民・衛藤晟一党紀委員長:
国賊との発言は、極めて非礼な発言で許しがたいものである。結果的にはそのような発言をしたということについては、2回目の弁明書の中ではっきり認めておられますので、それに基づいて処分をすべきであるということについて一致いたしました。

メンバーからは「除名すべきだ」との意見も出たという。村上氏への厳しい処分を求めていた、安倍派の塩谷立会長代理は…。
――派内からは除名などの厳しい処分を求める声も出ていたが?
安倍派・塩谷立会長代理:
そこは自民党として、大きな気持ちで判断したと思います。私たちは受け入れたいと思います。

笑みを浮かべて「(人生には)落とし穴があるんだな」と発言も
村上議員は遺族におわびする考えを示したが、国賊発言については「今でも記憶にない」と発言。部屋を出る直前には笑みも浮かべていた。
自民・村上誠一郎議員:
まぁ人生というのは思いもならぬアレがあるんだな。落とし穴があるんだな。

――不服申し立てをする考えは?
自民・村上誠一郎議員:
もうちょっと考えさせて。今の段階では別に考えていません。
処分を受け、村上議員は今後自身が所属する党の最高意思決定機関、総務会に出席できなくなる。
(「イット!」10月12日放送)