チームにも選手にも、負けても次がある。
高校スポーツに新たな文化を吹き込む、日本バスケ界の試みとは。

「負けたら終わり」…じゃない!

のどかな田園風景が広がる高知・南国市にある高校で行われていた熱い戦い。2022年8月から開催されている 「U18日清食品トップリーグ」だ。

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全国トップレベルの男女それぞれ8校が参加し、1試合総当たりのリーグ戦形式で日本一を競う。
さらに今回、「U18日清食品ブロックリーグ」として、 関東・東海・中国・四国と地方単位でも公式のリーグ戦が新設された。

その四国ブロックリーグの様子を取材すると、これまでの高校バスケの公式戦とは大きく異なる 出来事が…。それは、試合中の積極的な交代だ。

これまで高校バスケの3つの全国大会は、「負ければそこで終わり」のトーナメント方式だったが、「負けても次がある」リーグ戦方式のため、積極的な選手の起用が可能になった。

例えば、この日試合を行っていた高知中央高校は、第3クオーター途中のタイムアウトを境に5人全員が交代した。

高知中央高校・吉岡利博ヘッドコーチ:
リーグ戦の場合は、公式戦でありながら、試してみたいことを思いっきり試して失敗してもいいのかなというのがあるので、そこはチャレンジできる部分はあるのかもしれない。

練習の質が向上

リーグ戦ならではのチャレンジは、選手たちの気持ちにも変化があるようだ。

高知中央高校3年・坂本ひなりキャプテン:
選手自身も自分にもチャンスがあるとみんなが感じて、チーム全体の練習の強度も上がっています。

高知中央高校1年・大須賀さよ選手:
本番を想定した練習をすることで、試合に出せたりチームに貢献できると思います。

年に数試合しか見込めなかった公式戦の増加に加え、対戦相手がしっかりとわかっていることで日々の練習の質の向上にもつながるという。

松山工業高校・池松健彦ヘッドコーチ:
週末にどのような相手と戦うか、それを分析しながらイメージしながら練習するような取り組みをしています。

松山工業高校1年・長野晃己選手:
この公式戦で自分は初めて得点も取れて、本当にこういう機会をもらえて自分の良い経験になったので嬉しかったです。

育成、強化、普及という「3方良し」が期待される、高校バスケの新たなリーグ戦。

JBA・浜武恭生事務総長:
今、一気通貫みたいな育成・指導のやり方で、A代表からアンダーまで一気通貫にやりましょうという中に当然リーグ戦文化があって、相手をスカウティングして、その中で自分達のバスケをどう体現させるか。全部の部員でどう勝っていくかみたいなことに、将来的に繋がっていくといいかなと思っています。指導者の方からしたら一番これから変わっていかれるのかなと思っています。

(「Live News α」10月4日放送)