広島県内でも新型コロナウイルス・オミクロン株に対応したワクチンの追加接種が始まった。新しいワクチンの効果について、専門家の意見を聞いた。
「BA.5」感染予防にも同等の効果期待
9月23日、広島・安芸高田市で従来型ワクチンの4回目の接種を行う予定だった人が、オミクロン株対応のワクチンに切り替えて接種を受けた。
![9月23日、安芸高田市でオミクロン株対応ワクチン接種が始まった](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/700mw/img_54bc14987c6293ad601cf0c47045a733190539.jpg)
接種を受けた人:
これが最後の接種になればいいなと
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/700mw/img_455504c02354f80996a4b4f948cf6688226107.jpg)
新しいワクチンは、これまでのものとどう違うのだろうか?広島大学大学院でウイルス学が専門の坂口剛正教授に聞いた。
広島大学大学院 ウイルス学・坂口剛正 教授:
”重症化予防″に関しては、これまでのワクチンでも十分効果があります。ところが”感染予防″で考えてみると、型が違うとなかなか効果がないんです。今回は「BA.1」に対するワクチンなので、おそらく感染もだいぶ防ぐと思います
![坂口教授の話は、従来型のワクチンではオミクロン株の”感染予防”に効果がないという](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/3/700mw/img_2383297ae92f0942c27b3b438a5d2d81192426.jpg)
坂口教授は「現在はワクチンが最も強力な”武器″だ」と、接種する意義を強調。
広島大学大学院 ウイルス学・坂口剛正 教授:
ファイザー社が調べたデータによると、「BA.1」の新しいワクチンを打つと、「BA.1」に対してはこれまでのワクチンと比べて約10倍も抗体価が上がるというデータがあります
「BA.1」は2022年の初めに感染が拡大した第6波で主流だったが、現在は「BA.5」にほぼ置き換わったと見られている。現在主流になっている「BA.5」への効果については…
広島大学大学院 ウイルス学・坂口剛正 教授:
「BA.1」も「BA.5」も同じオミクロン株で比較的似ているので、「BA.1」のワクチンは「BA.5」にも効果があると思います。「BA.5」対応のワクチンを待っている間に、また次の新しい型が出るかもしれないので、打てる時に「BA.1」対応のワクチンを打っておいた方がいいと思います
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「インフルエンザ」への免疫が落ちている可能性
今回の新しいワクチンは、インフルエンザワクチンと接種時期が重なっている。同じタイミングで新型コロナのワクチンとインフルエンザのワクチンを打つことは可能なのだろうか。
広島大学大学院 ウイルス学・坂口剛正 教授:
同じ日に打ってもかまいません。右腕にインフルエンザのワクチン、左腕に新型コロナのワクチンを同時に打つことも可能です。2年間、インフルエンザが流行っていなかったので、インフルエンザへの免疫が落ちていると考えられます。インフルエンザのワクチンも打っておいた方がいいかもしれませんね
![広島大学大学院 ウイルス学・坂口剛正 教授](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/700mw/img_443e059d61213400acfb1dea3b3535a5173421.jpg)
2022年、オーストラリアでインフルエンザの流行が確認された。オーストラリアと日本は季節が逆のため、半年ずれて、日本でもインフルエンザが流行る可能性が十分に考えられる。コロナと共に、インフルエンザにもしっかり感染対策が必要だ。
気になる副反応に関しては、オミクロン株対応ワクチンも、これまでのワクチンと変わりはないという。
そして、オミクロン株対応ワクチン接種の対象者は、従来型のワクチンを2回以上接種し、最後の接種から5カ月以上経った12歳以上の人となっている。
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ワクチンはファイザー社製とモデルナ社製の2種類があり、ファイザー社製は12歳以上、モデルナ社製は18歳以上の人が接種可能だ。
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60歳以上の人や医療従事者などから接種が始まり、それ以外の人も順次、接種が可能になる予定だ。接種の詳しい日程等は、各自治体のホームページなどで確認してほしい。
(テレビ新広島)