跳躍から着水までわずか2秒。この一瞬で勝負が決まる「飛び込み競技」。ストイックな姿勢で全中2冠という快挙を達成した新潟県の中学2年生を取材した。

「プライド持っている」美しい入水目を指して

ダイナミックかつ美しい演技に、しなやかな体が織りなす静かな入水。今、飛び込み界で注目されている中学2年生の石沢遥斗さん(14)だ。

この記事の画像(12枚)

8月に行われた全国中学校体育大会・飛び込み競技で高飛び込みと板飛び込みで優勝し、新潟県勢史上初の2冠に輝いた。

国体選手だった父の影響で5歳から飛び込み競技を始めた遥斗さんには、「ここだけは譲れない」と話す強みがある。

石沢遥斗選手:
色々な大会でも水切れで勝った経験があるので、そこは自信しかない。そこにはプライドを持ってやっている

演技の完成度や美しさを競う飛び込み競技は、しぶきが上がらない入水「ノースプラッシュ」が高く評価される。遥斗さんの場合、入水時に肘が伸びているため、他の選手よりもまっすぐで静かな入水が可能に。さらに…。

しぶきが上がらない石沢選手の入水「ノースプラッシュ」
しぶきが上がらない石沢選手の入水「ノースプラッシュ」

(Q. つま先のこうがすごく出ていますね)

石沢遥斗選手:
これは頑張った。きれいに見せるため、つま先が柔らかくなるよう毎日柔軟をした

つま先が柔らかくなるよう毎日柔軟
つま先が柔らかくなるよう毎日柔軟

しなやかな筋肉をつけ、体のラインの美しさも追求する。

高さ10mから飛び込み… 恐怖心に負けない精神力で世界へ

10mの高さから飛び込んだときの速度は時速50kmに達することもあり、普通の人はその高さから飛び込むだけでも勇気が必要だ。

長谷川珠子アナウンサー:
ダメだ…。あまりの高さに心臓がキュッとなって足がすくみます。さーっと血の気が引いていくような高さです

遥斗さんの強さは、この恐怖心に打ち勝つ「強靱な精神力」にもあるという。

長岡ダイビングクラブ 荒木駿図コーチ:
毎日、大丈夫か?と心配になるほど集中力を高めて練習に取り組んでいる。彼は常に自信に満ちあふれている

石沢遥斗選手:
高いところから飛ぶ競技なので、心が折れるときもある。それに負けないような気持ち作りをするのが大切だと思っている

そんな遥斗さんの今後の目標は?

石沢遥斗選手:
今よりも大きな舞台で戦えるような選手になっていきたいし、それだけで終わらず、世界にも出られる選手になりたい

並外れた集中力を武器に、世界へ躍進していく。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。