「防災月間」の9月。
台風15号による記録的な大雨で、静岡県内では大規模な断水が起こるなどの被害が相次いでいるが、各家庭での災害に対する備えは万全だろうか。

家庭でできる対策のひとつが、保存食や簡易トイレなど、必要なものがまとめられた「防災セット」を用意しておくことだろう。

そんな防災セットについて、若い世代ほど所有率が高く、お金をかける傾向にある、そんな興味深い結果が、セゾン自動車火災保険株式会社の調査によってわかった。

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この調査は、2022年8月に全国の20歳以上の1095人(男性604人・女性491人)を対象として行われたインターネット調査。

まず、そもそも「家庭で地震や台風などの災害に対して、必要な備えをしているか」という質問に対しては、「十分備えている」と回答したのはわずか5.9%
これに「ある程度備えている」と回答した人を合わせても42.6%で、「あまり備えていない・全く備えていない」という人は51.7%と、半数以上の人が災害への備えができていないという結果となった。

また、「あまり備えていない・全く備えていない」と答えた人にその理由を聞いてみると、最も多かったのは「面倒で後回しにしてしまっているため」で42.1%。

続いて「食料の備蓄や防災用品、保険などにかける金銭的余裕がないため」が27.5%、「備えとして何が必要かがわからないため」が19.7%となった。

若者ほど「高い防災セット」を持っている率が高い

そして、備えの1つとなる「防災セット」を「持っている」と回答したのは40.2%。

世代別に見ると、20~29歳は49.4%と一番多く防災セットを所有しており、続いて40~49歳(42.1%)、30~39歳(40.6%)、50~59歳(36.5%)、60歳以上(32.8%)と、年齢が高くなるにつれて所有率が低くなる傾向になった。

また、防災セットを持っていると回答した人のうち、防災セットにかけている金額が3万円以上という人は、30~39歳が12.3%。続いて20~29歳(9.6%)、60歳以上(6.8%)、40~49歳(4.0%)、50~59歳(0.0%)となり、若い世代ほど防災セットにお金をかける傾向であることもわかった。

そして、3万円以上の防災セットを持っている人は「備えとして十分と感じる」が26.1%なのに対し、5000円未満では7.4%など、かける金額が高いほど安心感が高まるという結果も出ている。

実際に、防災セットは金額の高いものを選べば安心…ということなのだろうか?さらに、若い世代ほど防災セットを所有し、お金もかけているのはなぜなのか?調査結果についてセゾン自動車火災保険株式会社にお話を聞いた。

値段ではなく「ニーズに合わせて​」

――多くの人が災害へ十分な備えができていないという結果の受け止めは?

災害が頻発する昨今において、備えをしている方が増えているように思っていたため(「十分に備えられている」と回答した人以外が)9割以上という結果については少し驚きもあります。

災害への備えが不十分な理由について、「面倒で後回しにしてしまっている」と回答した方が4割以上を占めていることから、備えに関しても「手軽さ」が求められるものと考えます。また、防災セットの備えに関する設問において「そもそも、必要十分な種類・量の防災用品がわからない」と回答した方も多く、家庭の状況(人数やお住まい等)に応じた備蓄量を把握する機会がなかなかないことも影響しているものと思います。

弊社が提供する新サービス『SA・PO・PO』には、ご家族情報等いくつか設問にお答えいただくだけで、必要となる備蓄リストを作成できるサービス等もございます。平時における備えにおいて、お役立ていただけるものと考えています。

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――防災セットについて、若い世代の方が所有率が高く、高額なものを用意している。これは若い世代の方が防災意識が高いということ?

昨今、さまざまな防災(避難)グッズがオンラインで販売されていることもあり、まずは防災セットをもっておけば安心できる、との理由で、若年層の単身世帯などでは購入が進んでいるのでは、と考えています。
オンラインで手軽に買えることが、若年層にとって備えのスタートとして取り入れやすいのかもしれません。


――防災セットにかける値段が高い方が安心…これは「値段が高いものを選んだ方が良い」ということ?

所有している防災セットでは備えとして不十分と感じる理由として「防災セットの金額が低いほど、品数(種類)が少ない」を選択する割合が高かったことから、防災セットの金額が高いほど、品数も豊富で安心感は得られるのかもしれません。

ただ一方、高い防災セット(3万円以上)を用意していても、備えが十分だと感じている方は3割に満たないという結果も出ています。

これらの結果からもやはり、高額だから安心、というのではなく、家庭の状況(人数やお住まい等)に応じて、必要な備蓄量を把握したうえで、ニーズに合わせてご用意いただく必要があるように思います。自動車保険加入時も同様に、高額な保険料を支払えば安心、と考えるのではなく、お車の使用頻度や使用状況、年式、保管場所なども考慮したうえで必要な補償をご選択いただく必要があると考えます。

オンラインで手軽に買えることが若い世代の所有率が高い一因ではないかとのことだが、値段ではなく「家庭の状況に応じたニーズに合わせる必要がある」と話す担当者。

「手軽にそろう防災セットだが、十分な備えをするためにはまず、各家庭でどの程度の備えが必要か確認し、防災セットと個別購入との組み合わせ等を検討する必要があるかもしれない」とも話している。

これだけは準備したい備えリスト

ちなみに、首相官邸の公式サイトでは「災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~」として、チェックリストを紹介している。

・避難の際に持ち出すための、ヘルメット、携帯ラジオ、軍手などを含んだ「非常用持ち出し袋」
・紙オムツ、離乳食、抱っこひもなどを含んだ「子どもがいる家庭の備え」
・生理用品、防犯ブザーなどを含んだ「女性の備え」
・介護食、持病の薬、お薬手帳のコピーなどを含んだ「高齢者がいる家庭の備え」
・家庭内に備えておくべき、保存期間の長い食料、トイレットペーパー、ポリタンクなどを含んだ「備蓄品」

まずはこのリストを参考にして、必要な備えを組み立ててみてはいかがだろうか。

(引用:首相官邸 災害の「備え」チェックリスト)
(引用:首相官邸 災害の「備え」チェックリスト)

そして今回の調査の中で「家庭で災害への備えについて話し合うことはあるか?」という質問に「都度もしくは定期的に話し合う」とした人は6.2%。

「一度は話し合ったことがある・複数回話し合ったことがある」という人と合わせると69.7%と、約7割の人が災害への備えについて家族で話し合っている、という結果が出ているが、一方で「一度もない」という人も28.9%いることがわかった。


つい後回しにしてしまうという人の多い、災害への備え。
この機会に、ぜひ家庭で本当に必要な備えは何か、話し合ってほしい。