線状降水帯や台風。ここ数年、佐賀県内で続いている豪雨では、住宅のほか、車の被害も発生している。大切な財産であり、多くの人にとって生活に欠かせない車。
車を大雨から守るために必要なことは何か、専門家に聞いた。
視界が悪化…大雨での運転は非常に危険
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
大雨のときは、不要不急の外出や運転は控えていただく。雨により視界が悪くなるため、運転に対して非常に危険な状態になります
ここ数年、県内を襲っている豪雨。JAF佐賀支部によると、2019年8月の大雨での救難要請は864件にのぼり、武雄市や佐賀市では、車が流されたり水路に転落したりして、死者も出た。
また、2021年8月の大雨では、183件の要請があった。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
冠水した道路を走ったせいでエンジンが止まってしまったとか、冠水した水の中が見えないので縁石に乗り上げた、道を間違えて田んぼなどに入り込んでしまったとかっていうのが多かったですね
やむを得ない場合…水深の目安は
JAF佐賀支部は、大雨のときは車の運転を控えてほしいとしているが、やむを得ず運転をする場合の注意点は…
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
アンダーパス、地下道、高架下などの走行は避けていただいたほうが良いかと思います
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
通常より低い位置にありますので、少ししたことで水がそちらに流れ込んできて、思ったより水位が深くなっているケースが多いので、そのようなところの走行は控えていただけたらと思います
周囲より低くなっている道のほか、冠水した道の走行は控えるのが大原則。
しかし、どうしても走行せざるを得ない場合、その水深は、車体の最下部までを目安にしてほしいという。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
車によって、最下部の高さは異なるんですが、目安としては、車の足元の位置までを目安にしていただけたらと思います
JAFが2010年に行った、冠水した道の走行テストの様子。水深30cmから60cmの道を時速10kmで走行すると、水深30cmのところは走行ができているが、60cmのところでは途中で車が止まった。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
浸水が深いと水を巻き上げてしまって、空気を吸い込む部分に水が浸入してエンジンが止まってしまうというケースが多いです
一方、時速30kmで走行すると、水深30cmの道でもエンジンルームに水が入ったという。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
速度が速いときの方が、水しぶきや波が立ってしまいますので、ボンネットまで、もしくはフロントガラスまで水をかぶってしまう
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
そういう高さまで水位がきてしまうと、空気を吸い込む部品のところの高さを優に超えたレベルになりますので、簡単に水を吸い込んでエンジンが止まることが多いですね
水に浸かったら…車両火災の危険も
また、浸水によるエンジン停止のほかにも、冠水して状況の分かりにくい道を走行するときには注意したいことがある。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
マンホールのフタが開いていたり、道から実際外れて溝に落ちたりとか、あとは流されてきた障害物ですね。そういったものを巻き込んでしまう危険がございますので、破損をなるだけ減少させるために、ゆっくり進んでいただけたらと思います
しかし、低速で走行しても危険なことがあり、冠水した道は、う回などをしてできる限り避けたほうが良いという。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
速度がゆっくりだとしても、バンパーに水がどうしてもかかってしまうと、水圧でバンパーなどが破損したり、あとは急にその浮力でハンドルがきかなくなったりして、不用意に流されたりしてしまう危険もありますので
冠水をうまく乗り越えても、新たな問題も。
水に漬かってしまった車は、一見普通に見えても、電気系統の故障などによる感電事故や、車両火災のおそれがあるという。
JAF佐賀支部は、車が水に漬かってしまったときには、むやみにエンジンをかけないよう呼び掛けている。
JAF佐賀支部推進課・山﨑敬介さん:
車が浸水した、車内に水が入っている状態でしたら、水が引いたあとも不用意にエンジンをかけずに、車の販売店さんやJAFにご連絡やご相談をいただければと思います
(サガテレビ)