私がお伝えしたいのは「『国連』で働く日本人 過去最多に」です。
外務省は、国連の関係機関で働く日本人職員の数が956人と調査開始以来最も多くなったことを発表。
20年前と比べると2倍に増加し、そのうち6割が女性となりました。
ただ、世界全体でみると日本人の割合はわずか2.4%にとどまるなど、まだまだ課題も。
ポイントはこちら。「『海外組』増加で日本のプレゼンス高まるか」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
林外務大臣は、会見で国連関係機関で働く日本人職員の数が前年比4%増となる956人になったことを発表しました。
外務省は、若手人材を対象に政府の経費負担で一定期間国際機関に派遣する、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)制度の活用や、幹部候補となる中堅レベル職員の送り込み、オンラインを活用した世界中の日本人人材に向けた国際機関就職セミナーの開催など、国連機関で働く日本人職員の増加・昇進を推し進める取り組みを進めています。
林大臣は、「2025年までに1000人を達成するという政府目標に向け着実に進捗している」と成果を強調しましたが、実際に国連関係機関で働く日本人は、世界各国からの職員数割合をみると、わずか2.4%。
国連通常予算に占める分担率ではアメリカ、中国に次いで、第3位の日本が、職員数の割合では9番目にとどまっている状況です。
なぜ日本人の職員数が伸びないのでしょうか。
原因のひとつは、雇用形態にあるといえます。
国連関係機関では、日本ならではの終身雇用ではなく、ジョブ型雇用と呼ばれる任期付きの形態を取るポストが一般的で全体の7割以上を占めているため、挑戦しづらいと感じる若者も多いようです。
林大臣は、「引き続き政府目標達成に向けて日本人職員の増加・昇進に取り組む」としていますが、日本人の雇用や働き方に対する意識改革が進まない限り、順調に増加させられるかは不透明な情勢です。
さらに、国連で働くためには、英語の他、さらにもう一カ国語、国連公用語を習得しているのが望ましいとされていて、英語が母国語ではない日本人にとって、語学習得も高いハードルになっているといえそうです。
(国連公用語:英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語の6カ国語)
(政治部 村上真理子)