中国の大連空港からバスに揺られて20分程度。市街にある「大連昱聖苑国際酒店」で3回目の隔離生活を過ごすことになった。今回隔離されるホテルは、以前宿泊したリゾートホテルとは趣が全く違う。入り口では「汚染区」の貼り紙に出迎えを受けた。厳しい隔離や感染者がいる可能性を表したものかと思ったが、あまり良い気持ちはしない。

ホテルの入り口には「汚染区」と書かれた張り紙が貼られていた
ホテルの入り口には「汚染区」と書かれた張り紙が貼られていた
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検査体制、部屋、食事…これまでとの違いは?

日本での仕事を終え、中国に向かったのは7月28日。入国する際は基本的に7日間の隔離に加え、3日間の自宅での経過観察が必要で、首都北京には10日間の隔離措置を経ないと入れない。これまで多くの外国人を受け入れてきた遼寧省・大連で、10日間の隔離生活を送ることになった。

ホテルのフロント
ホテルのフロント

ホテルのフロントは薄暗くてひとけがなく、迎えるのは前回と同様、全身防護服の人たちだ。

フロント横に置かれた大量の飲料水
フロント横に置かれた大量の飲料水
薄暗い宿泊フロア
薄暗い宿泊フロア

異様な雰囲気は変わらない。宿泊するフロアも静まりかえっていた。

ホテルの部屋
ホテルの部屋

部屋は広くて落ち着いた雰囲気だったが、ベランダはなく、窓は汚れていて開かない。

開かない窓 汚れも目立つ
開かない窓 汚れも目立つ

過去2回の隔離ではベランダに出て外気に当たることができただけに、今回自分にはこれが一番のストレスになった。

バスルーム 浴槽はなく、シャワーは固定
バスルーム 浴槽はなく、シャワーは固定

ソファに寝転がれるのはいいが、トイレに洗浄機はなくシャワーも固定、バスタブはなかった。ただ、隔離の期間は短い。前回(2021年11月)は3週間必要だったが、今回は約半分の10日間。文句を言っても仕方がない。

ソファは快適
ソファは快適

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毎日の体温を自分で測るのは変わらないが、PCR検査は到着時も含めると10日間のうち6日間で頻度は増えた気がする。期間が短縮された分、こまめにチェックするということか。

部屋の“ウイルスチェック” ドアノブなどにウイルスの付着がないか調べる
部屋の“ウイルスチェック” ドアノブなどにウイルスの付着がないか調べる

ただ、ドアノブや椅子、机などにウイルスが付着していないかを調べる検査は一度だけで、当局の規則は刻々と変更されているようだ。隔離終了直前にはこのホテルが数日後、隔離専用から一般客向けになるという知らせも入った。

“中華多め”の食事
“中華多め”の食事

食事は、前回よりも中華の割合が増えた気がする。隔離場所によって中身は違うようだ。好き嫌いはないが、味が濃く、脂っこい中華料理を全て食べるのはきついので、1日2食にした。

日本から持参した惣菜などは力強い味方
日本から持参した惣菜などは力強い味方

助かるのは、今回も日本から持参した惣菜だ。中国にも日本の食材はあるが、日本の品揃えは比べものにならない。心ある方からいただいた様々な“ごはんのお供”は、気持ちを軽くしてくれる意味でも効果大である。

「ルーティン」と「癒やしの時間」で乗り切る隔離生活

3回の隔離を経験して、ルーティンを作ることが乗り切るコツだと感じた。人によって過ごし方は様々だろうが、生活にリズムを作ることは大事である。今回は午前と午後に筋トレをすること、中国の番組を見ること、歌を聴くことを決めた。時間の多少ではなく、短くても決めたことをやると気持ちがすっきりする。

部屋からみた夕日
部屋からみた夕日

また、窓が開かないながらも部屋からの夕日は非常に綺麗だった。普段、夕日を見ることはあまりないだけに、癒やしの時間を見つけることも大切だ。

雨の中、ホテルの係員がタクシーをとめてくれた
雨の中、ホテルの係員がタクシーをとめてくれた

隔離が終了した後の行動には制限がなくなっていた。目張りされた車に乗ることも、空港の別室で待機させられることもなかったのは大きな変化だ。

隔離されるたびに思うことだが、やはり自由は貴重だ。隔離後、外の空気を吸って街を歩ける価値を噛みしめた次第である。過去と比べ、10日間の隔離をありがたいと思う気持ちに自ら苦笑しつつ、自由とは相対的なものだと感じた。

【執筆:FNN北京支局長 山崎文博】