第6波で全国最多の2151人が死亡し、なかでも9割が70歳以上だった大阪府。
その反省を踏まえ、“高齢者の命を守ること”に特化する方針を決め、高齢者に不要不急の外出を自粛するよう求めた。

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しかし、大阪府の対策本部会議で、大阪大学大学院医学系研究科の忽那賢志教授は「重症化リスクの高い高齢者などに限定した行動制限に意義はあるのか疑問である」と指摘した。
「患者が死亡した主な原因は、高齢者が感染リスクの高い行動をとったためでなく、医療機関や高齢者施設などに職員からウイルスが持ち込まれたこと」だと主張し、今回の措置に疑問を投げかけたのだ。

専門家からの厳しい指摘に、吉村知事は…

大阪府 吉村知事:
高齢者の皆さんに身を守っていただきたいというメッセージを、強く発信したかったということです

さらに、大阪樟蔭女子大学の井尻教授は、高齢者が外出を控えることで心身の機能が低下し、介護が必要な一歩手前の状態「フレイル」に陥ってしまう懸念があるという。

大阪樟蔭女子大学 井尻吉信教授:
若い人よりも速いスピードで(体力が)低下してしまう。高齢者の「フレイル」の進展が、この自粛に伴ってすごく心配

高齢者への外出自粛要請中の29日、箕面市にあるシニア専門のスポーツジムでは、お年寄りが汗を流していた。 

75歳女性:
自粛要請で動かないと弱るのよ、気分もめげるじゃない

80代女性:
高齢者がかかると重症になるでしょ、だから気を使ってくださっているのは分かるんですけど、シニアにとって「ずっと自宅で自粛しろ」って言われますと…足腰が弱ります

これまでと変わらずジムを訪れるお年寄りがいる一方で、外出自粛の要請が出されて以降、客足は2割ほど減っているということだ。 

健康倶楽部100ジム 山田悠介店長:
ちょっと様子を見させてくださいっていう方が増えました。家にいるだけだと健康二次被害で、認知症にかかりやすかったり、膝が痛くなったり、腰が痛くなったり…結構不具合も出ているみたいなので、できたら運動しに来てほしいなっていう気持ちはあります

大阪樟蔭女子大学の井尻教授に、家でできる「フレイル」予防を3つ教わった。

【筋力】座って足踏み
体力の維持に効果的。目安は1セット30秒を1日3回

【口周り】パタカラ体操(「パパパパパパパパ、タタタタタタ…」と1音を5秒ずつ発声することで、口と舌の筋肉をきたえる)
認知機能の低下を抑制。目安は1セット3回を1日2回 

【精神面】電話・オンラインなど、非対面でも交流を
人と交流することで気分の落ち込みを回復

感染防止対策と同時に、高齢者の健康をどう守るかが課題となっている。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年7月29日放送)