子どもも大人も楽しめる、夏休みにおすすめの工場見学をご紹介。ミネラルウォーターに洋菓子、そしてジャム。これらは一体、どうやって作られているのだろうか。

北アルプスの麓の製造工場 20年かけ”天然水”に

ガラスの向こうで製造されているのは、ミネラルウォーター。

案内スタッフ:
普段、ここまでたくさん見ることができないので、皆さんは今、とても珍しいところをご覧いただいています

サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場(長野県大町市)
サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場(長野県大町市)
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ここは長野県大町市にある「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」。豊かな自然に囲まれたこの工場で、「サントリー天然水」が年間1500万ケース生産されている。

天然水への理解を深めてもらおうと、工場併設の体験型施設が2022年5月にオープン。予約制の見学ツアーが人気となっている。

北アルプスに降った雨や雪は、20年の歳月をかけて土壌を通り、ミネラル分を含んだ水になる。

案内係・水野早佑理さん:
花こう岩の中に含まれているミネラル分、カルシウムやマグネシウムが水の中に溶け出して、水の甘みに加わっていきます

予約制の見学ツアー
予約制の見学ツアー

ツアーでは、その過程や商品化されるまでを映像や模型で知ることができる。また工場2階の大窓からは、実際の製造ラインを見ることができる。

案内スタッフ:
やわらかくした状態で、隣の白い所でペットボトルをふくらませています

備え付けのモニターで製造ラインの様子を見ることも可能だ。

アルプステラス
アルプステラス

最後は、水を育んだ山や森を望む「アルプステラス」で天然水を飲むことができる。晴れていればボトルのデザインと同じアルプスの景色を眺めることも…。

親(千葉から):
夏休みなので子どもの自由研究になるかなと思って

小6の子供:
楽しかった。水ができるまで20年かかるってわかった

もっと喉を潤したくなったら敷地内のカフェへ。天然水仕込みのクラフトソーダやかき氷が味わえる。

天然水の全てがわかるツアー。詳しい日程などはホームページで確認してほしいという。

案内係・水野早佑理さん:
天然水ができあがるまでの水の旅を肌で感じられる施設になっています。子どもから大人まで楽しめると思いますので、ぜひお越しください

ロングセラーの菓子「作っているところを見てほしい」

続いて、気軽に工場見学ができる施設へ。伊那市の老舗菓子店「菓子庵石川」の「アルプスファクトリー」は、2021年11月にオープンした店舗兼工場だ。

「菓子庵石川」の看板商品と言えば、ほろっとしたクッキーとチーズクリームが絶妙な味わいの「ちぃずくっきい」。60年を超えるロングセラーだ。

店舗部分から工場が見えるようになっていて、イートインのテラス席からものぞける。

菓子庵石川・石川信頼社長:
その場で作っているっていうのを見せたかったし、できたて感を演出したかった。お客さんが見えるっていうのがやりがいになるので

店舗の奥が製造工場に
店舗の奥が製造工場に

「ちぃずくっきぃ」の生地を成形し焼くまでの工程は機械化されているが、チーズクリームを絞るのは手作業だ。

菓子庵石川・石川信頼社長:
すごく壊れやすい生地でして、1個1個サンドするのも簡単に見えてなかなか難しいので、スタッフがすごく手早くやってくれているのを見せたかった

手作業でクリームチーズを絞る
手作業でクリームチーズを絞る

訪れた人は…。

県外から:
見ながらだと安心しますよね、ここで作っているっていうので

南箕輪村から:
子どもたちが見ても面白いかもしれないですよね

買い物のついでにできる工場見学だ。

国産フルーツたっぷりのジャム そのお味は?

ジャムを手掛けて70年、軽井沢町にある沢屋の工場。その名も「ジャムファクトリー」。2011年から工場見学を受け入れている。

沢屋のジャム(軽井沢町)
沢屋のジャム(軽井沢町)

次々と瓶にブルーベリーのジャムが充填されていく。

スタッフ:
こちらは充填室なんですが、奥の方から空の瓶が流れてきまして、こんな感じで瓶にジャムを詰めていきます

瓶にジャムを詰める作業
瓶にジャムを詰める作業

沢屋・古越義隆取締役:
ガラス張りの「見せる工場」という形で、うちの強みである冷凍加工を使わない、国産の仕入れた果物をジャムにします

ブルーベリーは、ヘタなどがついていないか手作業で丁寧に確認。グラニュー糖を加え、あくをとりつつ釜で煮詰めたら、温かいうちに瓶に詰める。ふたを閉めたら一昼夜かけて自然冷却。最後にラベルを貼れば完成だ。

ジャムができるまでを学べるだけでなく、スタッフに教えてもらいながらジャム作りも体験できる。

スタッフ:
これで火にかけると、だんだんブルーベリーの紫色が砂糖にうつっていきます

見学はジャム作り体験とセットになっていて、現在はコロナ禍のため受け入れを制限しているが家族連れに人気だ。殺菌もしてもらい、オリジナルラベルを貼ったら手作りジャムの完成。

自分で作ったジャムの味は…。

ジャム作りを体験した記者:
とっても甘いです。ブルーベリーの食感も残っていて、自分で短時間で作ったとは思えないほど、とてもおいしいです

沢屋・古越義隆取締役:
家族連れで来られる方が大変多く、軽井沢に来た時の思い出づくりに多くいらっしゃる。おいしい果物を扱ってますので、そういうものを口にしながら、いい思い出にしてもらえたら

夏の信州で工場見学。思い出づくりや自由研究に訪れてみてはいかがだろうか。

(長野放送)

長野放送
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