海水浴場で海の安全を守るライフセーバーに、注意すべき海の事故について聞いた。

事故につながる一番の危険 “意外な風”の影響

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家族連れに人気の愛知県知多市「新舞子マリンパーク」で、ライフセーバー歴20年以上の水川さんに話を聞いた。

水川雅司さん:
愛知県の海水浴場の場合は内海(うちうみ)が多いので、波というよりも風が要因で結果的に溺れにつながることが割と多いかなと

浮き輪に乗ったまま沖まで流されてしまうなど、特に風の影響を強く受けるという。

中でも多いのが…。

水川雅司さん:
普通の浮き輪もあれば、青色をしたイルカのタイプの浮き具もありますよね。空気の塊のモノが風の影響を受けて人の手を離れた瞬間、どんどん流されていってしまう。今まさに、ビーチボールがちょっとだけ流れています。風向きによって、どんどん沖の方に流されてしまう。それを追いかけていくうちに、体力がなくなって溺れてしまう

浮き輪などは手放さないこと。もし手放してしまっても、無理に追いかけないことが重要とのこと。

無防備で危険な素足 岩場やゴミなどによるケガに注意

救護所では小学生の男の子が手当てを受けていた。浅瀬で膝をついて、貝殻や石で切ったという。

水川雅司さん:
海水浴ですので、皆さん素足で歩いて楽しまれる方が多いと思います。足も濡れてふやけているので、より切りやすい

岩場やゴミなどによるケガを完全に防ぐのは難しいので、絆創膏など簡単な救急セットを備えておくことが大切だ。

水難事故での死亡率が2倍に「飲んだら泳がない」

そして、とても危険だと水川さんが指摘するのが、飲酒した状態での入水だ。

水川雅司さん:
アルコールを飲んで、平常ではない体の状態で水の中に入るのは非常に危険

海上保安庁によると、飲酒をすると判断能力や運動能力が下がり、水難事故での死亡率が2倍に跳ね上がるという。

水川雅司さん:
ビーチに来るとお酒を飲みたくなるかなと思います。それ自体は悪いことではないですが、「飲んだら泳がない」これに限ります

クラゲ以上に危険!全国どこの海にもいる「アカエイ」

愛知県常滑市のビーチに打ち上げられた「アカエイ」 体長50cmほど
愛知県常滑市のビーチに打ち上げられた「アカエイ」 体長50cmほど

水川さんが、ある写真を見せてくれた。

水川雅司さん:
常滑市のりんくうビーチで、こういった海洋生物が打ちあがっていました。アカエイですね

7月に撮影した体長50センチほどの大きな「アカエイ」。鋭いトゲに刺されると、激痛を伴い患部が腫れあがる。

水川雅司さん:
なにかヒラヒラしたようなものが泳いでいるのを見かけたら、アカエイの可能性が非常に高いので、そういった海洋生物の近くには寄らない

アカエイは全国どこの海でも見られ、もし刺された場合は、患部を45度くらいの熱めのお湯に長め(15分以上)につけて温めると、毒が弱まったり腫れや痛みが和らぐとのこと。

海の危険を長年見てきた水川さんは「みんながルールを守って遊べば、海の事故は起きません。そして海の美化にもつながります。僕たちライフセーバーの出番がなくなるのが理想です」と話していた。

警察庁によると、2021年に起こった水難事故による死者・行方不明者のうち49.2%が海で事故に遭っている。

東海地方では2016年~2020年の5年間で、遊泳中に海の事故に遭った人は82人、そのうち死者・行方不明者は25人にも上る。

海水浴へ出かける際は様々な危険性を理解し、十分に注意しながら楽しんでほしい。

(東海テレビ)