佐賀県内では新型コロナウイルスの感染者急増とともに、自宅療養者が1万人を超えた。急増で不安を抱える人がいる一方、県などは対処方法を効率化させるなど新たな動きも出ている。

「連絡待ちがとにかく長い」募る不安

田中良宜 記者:
こちらは佐賀県内の7月の自宅療養者の推移を表したグラフです。始めのころには2000人を切っていたのが、だんだんと増えていき、11日には過去最多を更新。その後も増え続け、25日に初めて1万人を超え、27日は過去最多の1万316人となっています

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自宅療養をしている女性を取材した。

新型コロナ陽性の20代女性:
友達や知り合いはかかっていたが、いざ自分がかかってみると、ついにか…という気持ち

部屋の前に置いてあるのは母親が作った弁当。県内に住む20代女性は7月23日に陽性となり、同居する家族4人と部屋を分けて自宅療養している。

新型コロナ陽性の20代女性:
おじいちゃん、おばあちゃんなども同居しているので、最初はホテル療養を希望した。「20代で基礎疾患もないのでホテルには入れません」と伝えられた

幸い、女性の症状は軽く現在は快方に向かっているが、保健福祉事務所や支援センターとなかなか連絡が取れなかったことに不安が募ったという。

新型コロナ陽性の20代女性:
保健所から連絡が来たのは、病院から「陽性です。保健所の指示を待ってください」という電話の1日後。自宅療養支援センターから電話が来たのも、保健所から連絡が来た(さらに)1日後

新型コロナ陽性の20代女性:
その間に調べて、「何でも自分で考えた方が早いかな」と思った。発症して「陽性ですよ」となった時点で、丸2日~3日はどこにも頼らないで大丈夫なように準備しておいた方がいいと思った。連絡待ちがとにかく長いので…

感染者への連絡「遅くなってはならない」

連絡が来るまで不安が募ったということだが、裏返すとかなり保健福祉事務所などの業務がひっ迫していると思われる。今の体制はどうなっているのだろうか。

田中良宜 記者:
県内では、病院の診断結果を受けた保健福祉事務所が各陽性者に聞き取り、療養方法を判断しています。しかし、基礎疾患がある人など優先順位が高い人を先に対応するため、一部で連絡のスピードに差が出る場合もあります。一方で少しでも連絡を早くしようと、県内ではコロナに関する業務の効率化が進められています

佐賀県 健康福祉政策課 福井香月課長:
医療機関もだが、保健所の業務がひっ迫したことによって、感染された人への最初の連絡が遅くなることはあってはならないと思っている。そのため、本庁から保健所に人を派遣して態勢を強化したり、5月から一部の保健所で一部業務を民間委託して、重症化リスクが低い人への聞き取りをやったりしている

また、自宅療養支援センターは7月21日から、連絡のスピードを上げるために自宅療養者への最初の連絡をショートメールで行うなど効率化を図っている。

佐賀県 健康福祉政策課 福井香月課長:
医療機関においては、診療の合間や診療後の夜に保健所へ結果の連絡をしていただく。当日か翌日ぐらいには、保健所か自宅療養支援センターからのメッセージがいくと思います。もし陽性判明から2日たっても連絡がない時は、保健福祉事務所の方に連絡いただければ

自宅とホテル 療養の場どう決める?

他にも、ホテル療養を希望したもののできなかったという声があった。その基準はあるのだろうか。

田中良宜 記者:
ホテルか自宅のどちらで療養するかは、保健福祉事務所が判断をします。ホテル療養は、症状が続く1人暮らしの人、呼吸器系の病気や心臓病、糖尿病など、基礎疾患がある家族との隔離が難しい人、高齢者などの状況を総合的に見て個別に判断しているということです。それ以外の、軽症や無症状の人、家族と住んでいても隔離ができるといった人が自宅療養となる

感染者急増の一方で、全国的に見ても重症者は少ないという状況が続いている。全国知事会では基本的対処方針の見直しを政府に求めることなどが議論された。

田中良宜 記者:
奈良市で行われた全国知事会では、現在の基本的対処方針では医療体制などがひっ迫し対応が困難だとして、新型コロナ対策の見直しを求める緊急提言がまとめられました。提言には感染症法上の2類からの引き下げは盛り込まれず、感染者の全数把握見直しなどを求めました。手洗い・うがいといった感染対策は必要ですが、感染者が出始めたころと同じ対応を取るのが適切なのか、現実的な判断が国に求められます

(サガテレビ)