鹿児島県指宿市にあるホテルのプールで7月24日、溺れかけていた妹を助けようとした21歳の姉が溺れて亡くなりました。

めざまし8は、現場となった鹿児島の温泉地・指宿市にある、創業55年目の老舗「指宿シーサイドホテル」のプールを取材。プールには『事故発生に伴いまして、本日は休止させていただきます。』と書かれた一枚の張り紙がありました。

海に面し、リゾート感あふれる全長約22メートルのプール。夏休みを利用して家族とホテルを訪れていたという女子大学生は、なぜ命を落としたのでしょうか?

父親が語る胸の内「助けずにはいられなかったのかなあ」

亡くなった山田絢子さんの父親が当時の状況、そして苦しい胸の内を明かしてくれました。

山田絢子さんの父親:
元気で明るくて、優しい子でした。絢子の死を無駄にしないためにも、しっかりと原因を究明してもらいたいです

父親によると、夏休みを利用して母親と祖母、そして中学生の妹の4人で鹿児島を訪れていたという絢子さん。妹と2人でホテルのプールに出かけ、午後3時20分頃に事故が起こりました。

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2人がいたプールは、子供も利用するといいます。ただ、片側は深さ約1メートルなのに対し、反対に向かって、どんどん深くなっています。

この水深2メートルのあたりで、中学生の妹が溺れかけたため、絢子さんが助けに向かいました。その後、妹は自力でプールサイドへ。しかし、絢子さんの姿が見えなくなったことで、妹はホテルにいた男性に助けを求めたといいます。

絢子さんはその後救助され、病院に搬送されましたが、約2時間後、死亡が確認されました。死因は溺死でした。

福岡県の自宅で、一報を聞いたという父親は…

山田絢子さんの父親:
妹思いの優しい子でした。妹が溺れそうになっているのを見て、助けずにはいられなかったのかなあと…

安全管理に問題は?事故当時、監視員はいなかった

事故当時プールにいたのは、絢子さんと妹の2人だけ。ホテル側は見回りを行っていたものの、監視員などは配置していませんでした。

安全管理に問題はなかったのでしょうか?

若狭勝弁護士によるとプールの安全に特化した法律はないとした上で、プールでは溺死の可能性(危険)があるため損害賠償が認められるケースが多いこと。また水深2mとなるとホテルの責任は重く、注意義務違反や業務上過失致死に当たる可能性も出てくるということです。

ホテル側は取材に対し「社長を始め、全従業員が驚いています。亡くなられた方には申し訳ない気持ちです。」と話し、今後は見回りを強化し、プールサイドに注意を呼びかける大きな看板を設置する予定としています。

(めざまし8 7月26日放送)