小学校のプールで児童63人ケガ…現地取材で分かった「底の違和感」 新設後初使用のプールで何が【愛知発】
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小学校のプールで児童63人ケガ…現地取材で分かった「底の違和感」 新設後初使用のプールで何が【愛知発】

名古屋市内の小学校で2022年6月、プールの授業を受けた児童にケガ人が続出した。現場の底はどうなっていたのか、プールにカメラを入れて状態を確認した。また、プールの補修などを行う業者を取材し、考えられる原因を聞いた。

プールの授業でケガ人続出 底に何らかの原因?

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名古屋市守山区の上志段味小学校で6月、プールの授業を受けた児童63人に、足の甲や指先などの擦り傷が確認された。プールの底はモルタル製で、底に何らかの問題があるとみられている。

さらに名古屋市昭和区の松栄小学校では6月から7月にかけ、プールの授業中に児童36人がケガをしていたことがわかった。学校によると、プール内を歩いたり、底を蹴って蹴伸びなどをしたとき、足の指を擦るなどの軽いケガをしたという。

こうしたことを受け、名古屋市教育委員会は市立の全小中学校に対し、プールに異常がないか調査を指示している。

タイルの出っ張りやモルタルの凹凸 問題のプールに入り確認

守山区の上志段味小学校を訪れ、現場のプールを見せてもらった。

上志段味小学校 教頭:
こちらが深いプール、こちらが浅いプールとなっています。浅いプールでだいたい、50cmくらい水が入った状態です。6月22日から低学年・中学年で、浅いプールを使って「ワニさん歩き」という練習を取り入れて授業をしておりました

「ワニさん歩き」とは、手をつき足を浮かせて前進する運動で、水に浮く感覚を身に付ける練習として行われる。そのとき床に接触して、手や足をケガしたとみられている。

その後、深いプールで授業をしていた高学年にもケガの報告が重なり、合わせて63人となった。

上志段味小学校 教頭:
これはおかしいなということで、プールに自分が入って確認した。それでザラつきがあったものですから

実際に中に入ってみると…。

記者:
触ってみると、この部分はサラサラしている感覚なんですが、タイルとタイルの間を触ってみると、確かにザラザラする感覚があります

底の大部分に違和感はないが、床に埋め込まれたタイルが少し出っ張っていたり、隣り合ったタイルの1センチほどの隙間には、モルタルの凹凸が確認された。

プールを使う前は異物が入っていないかなどのチェックはしていたものの、底のザラザラには気づかなかったという。

上志段味小学校は2021年4月に新設された学校で、合わせてプールも作られた。コロナ禍で授業ができなかったため、プールを使うのは2022年が初めてだったが、今シーズンの授業は取りやめになった。

上志段味小学校 教頭:
子供たちもすごく楽しみにしていたと思いますし、新しい学校の新しいプールなので、ようやく入れるという気持ちだったと思うんですけれども、それを裏切る形になってしまって本当に申し訳ない

教育委員会によるとプールの工事や補修などはすべて、学校ではなく名古屋市の住宅都市局が決めている。

また、このプールを施工した鴻池組に話を聞くと、児童がケガをした件は会社として把握しており、現在、市と連携してケガの原因を究明しているとのこと。プールを使うまでに補修をしていたこともあり、どこに原因があるのかすぐにはわからないが、慎重に解明していきたいと話している。

「手足がつくのを考えずに作られている」同業者が指摘する問題

上志段味小学校での取材を踏まえて、考えられる原因を名古屋市内のプールの補修なども行ってきた「マルホウ」に聞いた。まずは取締役の樋口さんに、上志段味小学校のプールの映像を見てもらった。

樋口敏之さん:
今回はタイルでの仕上げだったので、モルタルにちょっとザラザラな加減があって、それでケガをしたのかなと。あと、タイルとの取り合い(接合部分)にもしかしたら段差があって、そういう所でひっかけたか…

モルタルとはセメントに水と砂を混ぜたもので、タイルやレンガの接着剤にも使う。

今回のプールの床面はモルタルだが、タイルでコースのセンターラインが作られていて、モルタルとタイルの間に段差や隙間が生じている。

樋口さんは、こうした小さい隙間をきれいにならすのは難しいという。

樋口敏之さん:
底に(足や手を)つくというのを多分、あまり考えずに作られている

そして、問題はもう1つあると指摘。

樋口敏之さん:
だいたい色を付けているケースが多いと思うんですけど。(学校用プールは)8割ぐらいはたぶん塗っている

一般的にプールは、モルタルなどの表面に「プールコート」という、主に水色の防水性がある塗料を3~4回重ね塗りするとのこと。

塗り重ねることで2ミリほど厚みが加わり、たとえモルタル面に凹凸があったとしても緩和されて、ケガの防止につながるという。

樋口敏之さん:
(プールコートを塗っているように)見えません。予算とかがあると思うので、そういうのがあれば防水加工をして、コンクリートを保護できればケガの原因にはならないと思う。早急に直した方が良いように思います

(東海テレビ)

記事 2082 東海テレビ

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