珍しい映像が、視聴者の方からFNNビデオポストに届いた。本来は海に生息しているある生き物が、宮城県松島町の川に大量に発生しているという。

「1カ月ほど前から」群れで泳ぐエイ

7月8日、松島町の川で撮影されたこの映像。よ~く見ると、ゆらゆらと水面を漂う黒い影が…。

動画を撮影した 大川口峰生さん:
まさか海水にいるものだと思っていたので、自然のエイを見る機会って水族館でもない限りないじゃないですか。しかも、そこそこの数がいたのでびっくりでしたね

「5~6匹、多いときは数十匹。少なくとも数週間前、1カ月前からいる」とのこと
「5~6匹、多いときは数十匹。少なくとも数週間前、1カ月前からいる」とのこと
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なんと、映像に映っていたのは本来、海に生息しているはずの「エイ」。しかも1匹だけではなく群れで泳いでいるとのこと。

動画を撮影した 大川口峰生さん:
5~6匹、多いときは数十匹。少なくとも数週間前、1カ月前からいるんですかね。結構長い間見ていますね

これは現地で確認しなければ…。取材班はさっそく、映像が撮影された松島町の高城川に向かった。

記者リポート:
動画が撮影された現場にやってきました。現在午前8時半過ぎですが、橋の上から見てもエイの魚影は確認できません

残念ながら、前日の雨の影響で濁っていた高城川。最新鋭の防水カメラで探したが、どこにもエイの姿は確認できず。何か情報はないか…地元の人に話を聞いてみた。

工事現場の人:
普段は川一面にいます。数えても100匹…何十匹とかのレベルではない。夏の風物詩という感じ

小学生の男の子:
毎年このくらいの。7月に入ったくらいからエイが出てくる

記者:
大きさを体で表すと?

小学生の男の子:
(両手を広げて)このくらい

記者:
結構でかいね…

小学生の男の子:
ジャンプしているところを見たことある

記者:
エイ、ジャンプするの?

ここでエイに関する有力情報が。

工事現場の人:
大体、潮が上がってくる時に、エイも一緒に上がってきますね。満潮の時。潮がダーっとあがってくるとき。一緒に上がってくる感じですね

今度こそエイはいるのか…

実は私たちが到着したこの時間は、ちょうど潮が引いていく干潮のタイミング。地元の人によると、海から川に海水が流れ込む満潮時によくエイが見られるとのこと。満潮を待つこと8時間…。

記者リポート:
8時間ほど経過して現在、午後4時過ぎです。だいぶ潮位も高くなってきていて、これはエイの撮影に期待できそうです

潮の流れも、海から川の方向に変化。今度こそエイはいるのか…。

記者リポート:
見てください!先ほどまではいなかった大量のエイが、橋の上からも確認できます。あ、いたいたいた、あそこにもいる。小さい!子供かな?いました、エイです。あそこにもめちゃくちゃいますね

午後4時過ぎ、ついにエイを発見
午後4時過ぎ、ついにエイを発見

河口から上流に向かって続々とやってくるエイ!エイ!エイ!

そして、こちらは別の視聴者が撮影した映像。川が濁ってない時のもので、10匹近いエイが群れで泳いでいるのがはっきりと確認できる。

10匹近いエイが群れで泳いでいる
10匹近いエイが群れで泳いでいる

一体なぜエイが川に?専門家に聞く

でも一体、なぜエイがこれほど川に来るのか。専門家に話を聞いた。

仙台うみの杜水族館 阿部鮎美さん:
ちょっと川の中で見づらいんですが、アカエイじゃないかと思われます。初夏から夏にかけてが繁殖のシーズン。その時、浅場(川)にみんなで集まってくる。その群れの一部が河口の近くまで上がってきていたんじゃないかと思います

阿部さんによると、アカエイは毎年5月前後に妊娠し3カ月ほどで出産。そのためこの時期は赤ちゃんエイにも出会えるのだという。一方でしっぽには毒針もついているので、うかつに近づくのは危険だということだ。

仙台うみの杜水族館 阿部鮎美さん:
常に見られるものでもないので、珍しいと言えば珍しいかな

視聴者からの情報で出会うことができた、松島町の隠れた夏の風物詩。みなさんも一度見に行ってみてはいかがだろうか。

(仙台放送)

仙台放送
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