「小さいときからアウトドアが好きな家庭で育ったので、環境問題にもすごく関心度が高かったです。『磯焼け』は、ほぼすべての都道府県で漁業の脅威となっている。なのに、一般の人にはほとんど知られていない。危機感を感じました」

そう語るのは、ウニノミクス株式会社日本事業推進・山本雄万さん。

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「磯焼け」は海中の二酸化炭素を吸収する海藻類が減少したり、消えてしまう現象のこと。

温暖化の影響で、大量に繁殖したウニが海藻を食べ尽くしてしまうことが原因の一つだという。

歯だけが残ったウニ
歯だけが残ったウニ

磯焼けが起きた海にいるウニは、エサが尽きているのでどんどん痩せてしまう。

まだ生きてはいるが中身は空っぽで、歯しか残っていない。

それを漁業者が採っても売りものにはならず、駆除費用がかかるだけだった。

空っぽのウニが食材に!

そこでウニノミクス株式会社では、7年かけて空のウニを太らせて食材に変える方法を開発。

地元の漁師が採った空のウニを買い取り、食用昆布の切れはしが主原料となるエサを与える。適温で育てると2カ月ほどで立派な身を付けるという。

そして、そのウニを全国の飲食店に出荷する。

漁業者は「駆除して捨てられていたのが、食べて喜んでいただける。これ以上ない」と喜ぶ。

漁業者は駆除した空ウニを買い取ってもらえるので、新たな収入源が生まれる。ウニを駆除した海中は、1カ月ほどで再び海藻が生い茂り豊かさを取り戻す。

ウニノミクスで育ったウニを試食した人は「普段食べるウニは臭みがあったりするんですけど、これは全然なくてすごく食べやすかった」と話した。

マイナスをプラスに変えて海を守っていく。山本さんは「日本中、世界中の磯焼けが起きている地域に横展開させて困っている猟師さんたちが、少しでも笑顔を取り戻して、海を昔の豊かな状態に戻せるように頑張っていきたい」と語った。

ウニノミクス株式会社
https://www.uninomics.co.jp/

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