過去2年、新型コロナの影響で、中止や規模の縮小を余儀なくされていた高校の文化祭。今年は生徒の家族などに公開する高校もあった。3年ぶりの盛り上がりをみせた長野県千曲市の屋代高校の文化祭に密着し、実行委員長の思いに迫った。
2年越しの思いをカタチに…準備進む

ダンスにバンド演奏、そして模擬店。3日間にわたって行われた千曲市の屋代高校・附属中学校の文化祭「鳩祭」。テーマは「Revival」=復活だ。
過去2年間は、新型コロナの影響で校内発表のみだったが、3年ぶりに生徒の家族に限って公開された。文化祭本来の姿の「復活」だ。

「鳩長」と呼ばれる実行委員長を務めた3年生の酒井怜雅さん。
鳩長・酒井怜雅さん:
本当、最高です
中学生の頃からの憧れである「鳩長」になった酒井さんは、2年越しの思いが実現でき、喜びをかみしめていた。
鳩祭3日前の6月28日、教室ではクラス展の準備が進んでいた。3年生はようやく迎える公開での展示だ。

3年生:
宝探しゲーム的なのをみんなで作ってます。自分の家族とかも見に来てくれるので、すごい楽しみです
鳩長・酒井怜雅さん:
失礼しまーす
鳩長の酒井さんは準備状況を確認して回る。

鳩長・酒井怜雅さん:
まだ内装はやってない?
酒井さんが屋代高校を志望したきっかけは、中学3年生のときに訪れた鳩祭だったという。
鳩長・酒井怜雅さん:
クオリティーが高く、生徒の活気にあふれていたところに感動して。屋代高校に入って、鳩祭の運営に携わってみたいと思いました
1年生のときから実行委員会に入ったが、校内発表のみの2年間はやはり「不完全燃焼」だったという。
鳩長・酒井怜雅さん:
すごいやるせない気持ちだったり、高校生活は3年間で限られているのに、とても残念だと思っていました
ようやく本来の姿に近づく鳩祭。酒井さんもステージ発表がある。

練習していたのは、前夜祭で披露する実行委員会のダンス。センターの大役を務める。
鳩長・酒井怜雅さん:
ダンスちょっと苦手なんですけど、ここにいる副実行委員長の2人に教えてもらいながら頑張っています。緊張してます。先生方や係のスタッフの皆さんに力を合わせてもらったので、鳩祭が大成功だったといえるようなものにしたいと思います
いよいよ開幕!「アンブレラスカイ」も見どころ
迎えた鳩祭初日、7月1日。前夜祭前に行われたのは恒例のクラス対抗リレーだ。

そして、いよいよ前夜祭。
鳩長・酒井怜雅さん:
第66回鳩祭をー!開催するー!

各クラスが練習してきたダンスを披露。
3年生:
最高です
2年生:
できないことがいろいろあって、今回こういうふうにできて良かったなって思います。最高です!

今回から附属中学の生徒も前夜祭を観覧した。初日を終えた酒井さんは、顔が真っ赤に日焼けしているようだった。
鳩長・酒井怜雅さん:
今こうやって全校の皆さんが楽しんでいる様子、はきはきとしている様子を見ると、安心してとてもうれしいです

7月2日、3日の2日間は家族に公開。感染対策のため、事前に体温などを記入したチェックカードを提出してもらい、密を避けるため来場は土日の午前と午後の4つに分けた。また模擬店で販売する食べ物はテイクアウトのみとした。
保護者:
3年間、文化祭らしいことできなかったので、今年いわゆる文化祭みたいなことができて良かったなと思います
鳩長の酒井さんも母と弟を連れて、見どころの一つ「アンブレラスカイ」を訪れていた。
鳩長・酒井怜雅さん:
普段なかなか学校での自分の姿を家族に見せられていないので、(他の生徒と)協力しながら文化祭をつくり上げているというところを見せられて、とてもうれしい

酒井さんの弟(小4):
実行委員長なんてすごいと思う
酒井さんの母親:
(来られて)本当にうれしいですね。みんなに楽しんでもらいたいって責任感もあると思うけど、自分自身の高校生活の思い出として、楽しんでもらいたい
あっという間の3日間 花火に記念撮影

弓道班:
3、2、1、点火!
フィナーレを飾る後夜祭。弓道班の火矢でファイヤーストームが点火され、全校でダンス。それが終わると、あちこちで記念撮影をする生徒たちの姿が。

最後は花火も打ち上げられた。
鳩長・酒井怜雅さん:
このような大きな文化祭を成功させるには、全校の皆さん一人一人の力が不可欠でした。本当にありがとうございました。ここに第66回鳩祭の閉祭を宣言します。ありがとうございました!

2年生:
とても楽しかったです。(来年は)もっとにぎやかに楽しくやりたいです
3年生:
残念な思いもしてきたんですけど、最後の学年になって自分たちでつくって、楽しい文化祭にできた。鳩祭、最高!

鳩長の大役を果たした酒井さん、充実の笑顔だ。

鳩長・酒井怜雅さん:
本当にあっという間の3日間で、今までの道のりを考えると、きょうここに立てたのは皆さんのおかげだったと心から思います。本当に大成功でした、最高です!
(長野放送)