大塚製薬が製造する「ポカリスエット」。この飲料が「リターナブル瓶」という新しい形で、スーパーの「イオン」系列から販売される。

特徴は容器にガラス製の瓶、キャップには「王冠」(栓抜きで開けるタイプ)を採用していることで、アメリカ発の循環型システム「Loop」により、瓶容器を何度も再利用できるという。

リターナブル瓶のポカリスエット(提供:大塚製薬)
リターナブル瓶のポカリスエット(提供:大塚製薬)
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Loopの仕組みを解説すると、まずは販売店のレジで商品(ポカリ)を購入。飲む場所やタイミングは自由で、自宅などに持ち帰ることもできる。

容器を返したくなったら、店頭の返却ボックスで二次元コードのシールを発行し、Loopのスマホアプリで読み取る。容器にシールを貼り、ボックスに投入すると返却完了。回収が確認されると、アプリ経由で購入時にかかった代金の一部が戻る仕組みだ。

Loopの仕組み(イオンのウェブサイトより)
Loopの仕組み(イオンのウェブサイトより)

使用後の容器は検品・仕分け・洗浄が行われる。再利用できるものは工場で製品(ポカリ)が装填され、販売店に入荷されて再び店頭に並ぶという。

デザインが「かわいすぎる」思わぬ心配

リターナブル瓶のポカリは、内容量が250ml、販売価格は税別230円(返却で70円分が戻る)。7月12日から「イオン」と「イオンスタイル」で販売される。※取扱い店舗は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県、京都府の計66店舗

今回の瓶容器は美しいデザインで、それゆえに思わぬ心配も。ネットでは「かわいすぎる」などと注目を集め、返却がされないのではとの声もある。

デザインの良さが話題に(提供:大塚製薬)
デザインの良さが話題に(提供:大塚製薬)

また、水分補給はこまめに飲むイメージもあるが、瓶容器だと飲み切ることになる。どのような場面での飲用を想定しているのだろうか。大塚製薬の担当者にいろいろと聞いてみた。

――ポカリをリターナブル瓶で販売するのはなぜ?

大塚製薬は大塚グループの環境方針のもと、グループ全体で循環型社会の実現に向け、廃棄物ゼロ社会の実現への貢献などのアプローチやチャレンジを続けています。その中で再利用モデルに適した製品として、本製品を発売することとなりました。
 

――どんな場面での購入や飲用を想定している?

エシカル消費、環境意識の高い層、懐かしく思う世代と新しく思ってくれる世代の購入。家庭内での水分補給が必要なシーンでの飲用を想定しています。私たちにできる環境配慮を考えたとき、できることの一つのスタイルが瓶容器でした。

購入から返却までの流れ(イオンのウェブサイトより)
購入から返却までの流れ(イオンのウェブサイトより)

――瓶の回収や輸送コストはどうしている?

明確なお答えが難しいですが、関係企業と分担をします。環境配慮に関する取り組みは、一部、手間やコストがかかることも事実です。今後もさまざまなアイデアが出てくるものと思います。

試験では「数十回の使用」を想定

――瓶の製造でこだわったところは?再利用はどのくらいできる?

デザインは独自に検討しました。ポカリスエットのロゴデザインの配置や瓶の青色、細部にまでこだわりました。瓶自体も繰り返しの利用に耐える強度や品質も慎重に検討して開発しました。再利用の回数は扱われ方によりますが、数十回の繰り返し使用を想定した試験は行っています。
 

――瓶なので開けたら飲み切ることになる?

はい。再キャップはできない飲みきりを想定した製品です。250ml瓶ですので持ち運びにはあまり適していないと思います。お風呂上り、デスクワーク、寝起きなど、日常の水分補給を想定しています。一度に飲み切れなくても、自宅ならコップに注いで飲むこともできます。

日常での水分補給を想定(提供:大塚製薬)
日常での水分補給を想定(提供:大塚製薬)

――再利用で瓶が傷んだり変形はしないの?

繰り返し利用を想定した配慮はしておりますが、瓶ですので割れたり傷がつくことは想定しています。再利用に向かない傷などあれば検査において排除する仕組みになっております。
 

――ポカリ自体の賞味期限は変わる?

一般のポカリスエットと同じく、製造から約13カ月となっております。

現時点では「返却をお願いするのみ」

――デザインの良さが注目されているが、瓶が収集されることやその対策は想定している?

このビジネスモデルにご理解をいただき、現時点では、飲んだら返却をお願いするのみです。
 

――瓶のポカリ発売を通じて、期待できること、したいことはある?

このビジネスモデル、ポカリスエットリターナブル瓶を通じて、生活者の方々と一緒に、環境に対してどう貢献できるかを考えていければと思います。

 

瓶は大切に扱われれば、かなりの回数を使用できそうだ。デザインは魅力的だが、返却・再利用される環境への取り組みとなることを願いたい。