6月の段階で猛暑日が続くなど、すでに暑い夏となりつつある。ここで気をつけたいのが熱中症だ。総務省消防庁がまとめた速報値によると、6月27日~7月3日の間に熱中症で救急搬送されたのは1万4353人。このうち、満65歳以上は8179人と全体の57%を占めたという。

そんな中、パナソニック株式会社の調べで、約4割が夏のエアコンをガマン・使わないと回答し、その理由について、特に60代以上は「電気代がかかる」「冷えすぎる」「体に悪いと思う」という答えが多かったことが分かった。

ガマン・使わない理由の1位は「電気代がかかる」

同社は20~60代の男女1084人に、「夏のエアコン利用」についてインターネットを通じて5月30日から6月1日まで調査。

「夏に起きてから寝るまでの間にエアコンをどのくらい使うか」について聞いたところ、「ガマンできるときは消す」人が29%いたのだ。これに「ほぼ使わない」(5%)と「全く使わない・持っていない」(7%)を加えた「ガマン・使わない派」は合計で41%となった。

(出典:パナソニック株式会社)
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「エアコンガマン・使わない派」に理由を聞くと、全世代で最も多い答えは「電気代がかかるから」。そして60代以上の回答に注目すると、続いて「冷えすぎるから」(41%)、「体に悪いと思うから」(30%)、「直接風が体に当たるのが嫌だから」(28%)となった。

20代の答えと比べると、60代以上の特徴として「体に悪いと思うから」「暑いと思わないから」という答えが多かったという。

(出典:パナソニック株式会社)

家族も「65歳以上は夏のエアコン利用に抵抗感あり」と認識?

また同社は、65歳以上の家族がいる30代〜50代の男女550人に「親世代のエアコン利用・熱中症対策」に関しても調査。

「両親は、夏のエアコン利用に抵抗感があると思うか?」と質問すると、「そう思う」「ややそう思う」と答えた人の合計は31%だった。

(出典:パナソニック株式会社)

その理由は、「冷えすぎるから(53%)」「電気代がかかるから(50%)」「体に悪いと思っているから(30%)」と、両親が考えていると思うという声が上位を占めた。

(出典:パナソニック株式会社)

温湿度計を置き「28℃を超えたらつける」という見える化

高齢者があまり使わない理由はいろいろあるようだが、やはり熱中症予防のためにはエアコンは使ってほしい。親世代に適切な使い方を説明するためにはどうすればいいのか? またエアコンを使いたくないという様々な理由に対応した使い方とは?

パナソニックの担当者に聞いた。


――親世代などにエアコンを使ってもらうには、どう説得するのが有効なの?

親世代の方は暑さやのどの渇きを感じにくくなっています。室内に温湿度計を置き、28℃を超えたら、エアコンをつけるという見える化、目安が良いと思います。


――エアコンを使うと「冷えすぎる」と思っている高齢者にはどうすればいい?

設定温度と風向きを工夫しましょう。室温28℃になるように設定し、冷風が当たると体から熱を奪いすぎて冷えすぎると感じますので、エアコンの風向きを一番上に設定しましょう。冷気は下がってくるので、風を直接体に当てずにやさしく冷やすことができます。


――「電気代がかかる」と思っている人には?またオトクな風量設定はある?

1、室温28℃になるくらいの設定温度
2、窓から入ってくる熱を防ぐ(カーテンや断熱シートなど)
3、フィルターは2週間に1度のお掃除
4、室外機まわりにモノを置かない

エアコンは運転し始めから設定温度に達するまでが消費電力を多く使います。微風で運転するとお部屋が設定温度になるまでに時間がかかってしまい、消費電力が高くなります。自動モードは運転し始めは風量を強めて素早く設定温度になるため、微風よりも省エネになります。設定温度になったあとは自動で風量を弱めるため「微風」より「自動」が節電になります。


――「体に悪いと思っている」人もいるが?

暑い外と冷えた室内を行き来すると、温度差に体がついていかないことがあります。これも、エアコンの設定温度を調節して、あまり下げすぎないように注意して上手にエアコンを活用しましょう。

昔の夏とは確実に違うものと思っていただきたい

――「直接風が体に当たるのが嫌」という場合は?

前述したように風向を一番上にし、風を直接体にあてないように工夫しましょう。


――「乾燥する」と思っている人には?

設定温度が低くなると、その分湿度も下がります。設定温度を下げすぎないようにしましょう。湿度が上がると体感温度もあがるので、乾燥や冷えが気になる場合は加湿器などで湿度を上げるなど、湿度を取りすぎない、もしくは加湿などの工夫をしましょう。


――「暑いと思わない」という人も多いが…。

親世代になると暑さを感じにくくなっているだけで、実はすでに室内は高温多湿状態かもしれません。やはり、温湿度計を置いて、しっかり室温を管理しましょう。のどが渇いたと感じていなくても水分をこまめにとるというのと合わせて、暑いと思わなくても室温28℃以上の場合にはエアコンを使用しましょう。


――最後に、高齢者に向けた夏のエアコン利用についてのメッセージを聞かせて。

以前は窓を開けて空気を通せば、エアコンを使わずに夏を過ごしてきたという方も多いと思います。ただ、最近は気温の上昇や猛暑日の日数が増えて、昔の夏とは確実に違うものと思っていただきたいです。

こまめな水分補給と合わせて、室温や湿度が高い時は我慢せずに設定温度や風向などを工夫して上手にエアコンを活用してください。

(画像はイメージ)

今年は既に猛暑日となる日も多く、夏本番となるこれからはさらに暑くなるかもしれない。

“エアコン嫌い”の親がいる人は猛暑の予報を聞くたび心配になるだろう。紹介した対処を参考に、エアコンの使い方を家族と話し合ってみてはほしい。

記事 4301 プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。