1作目から36年の時を経て続編が公開された『トップガン マーヴェリック』。今作ではトム・クルーズ演じる伝説のパイロット・マーヴェリックが、アメリカ最高峰のパイロットチーム“トップガン”の教官に。
世界での興行収入は1500億円を超え、トム・クルーズ主演作品で最大のヒットを記録しています。この「トップガン旋風」を支えているのは、大迫力の飛行シーンですが、なんとこれはCGではなく“実写”。とにかく“ホンモノ”を追求するトム・クルーズのこだわりがありました。

還暦を迎えてもなお、勢いを増すトム・クルーズの映画への情熱に迫ります。

世界でトップガン旋風…36年ぶりの続編に反響

『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.
『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.
この記事の画像(8枚)

日本では5月27日に公開され、興行収入は76億円を突破。これはコロナ禍以降、実写映画としてはNo.1の数字です。
前作もトム・クルーズ主演だったのですが、今作は主演とプロデューサーを兼務している中で「オンライン配信はしないと決めていた」といい、映画館に足を運んで観てほしいと話しています。

そんな、日本でも大旋風を巻き起こしている“トップガン”ですが、今、映画館ではとある座席が争奪戦になっています。

『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.
『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

それは、今回の戦闘機である「F-18」と同じ番号の座席。中には、4回目の鑑賞でようやくこの座席を手に入れた人もいました。

そして、このトップガン旋風を生み出した背景にあるのが、還暦を迎えたトム・クルーズの徹底したこだわりです。トム・クルーズは何よりも、徹底したホンモノ志向だといい、今回の映画について「CG合成撮影はしない」と語っています。

自ら演じる徹底した“ホンモノ志向”…飛行シーンも実写 過去には宙づりも

『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.
『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

迫力の飛行シーンは、CGに見えるかも知れませんが、なんと実写で撮影。徹底した“ホンモノ志向”は共演する俳優陣にも求められたといい、主演兼プロデューサーのトム・クルーズは「役を受けるなら、F-18に乗ってもらう」と語っています。
その言葉通り今作は、ホンモノの戦闘機F-18に俳優が実際に乗って撮影されたといいますが、そのスピードは実に、時速965キロに及びます。身体にかかる負担は、最大で8G。これは、脳から脚へと血液が押し出されることで、意識不明になる恐れもある速さです。
その状況下で演技をしなければならないため、嗚咽しながらも過酷な訓練を遂行。さらに、水没した機体から脱出する事態を想定した訓練も行われたとのことです。
約5カ月に及ぶ過酷な訓練、そこに強いこだわりが見えます。

このように、スタントマンやCGに頼らない、身体を張った“ガチンコ演技”がトム・クルーズの代名詞と言われていますが、過去の名作でも“ホンモノ志向”を貫いていました。

『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.
『トップガン マーヴェリック』 公開中 配給:東和ピクチャーズ © 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

トム・クルーズの代名詞でもあるアクション超大作「ミッション・インポッシブル」シリーズでは、中東・ドバイにある高さ828mのビルから宙づりに…。見ているだけで足がすくむようなシーンも、トム・クルーズ本人が撮影を行いました。
さらに、離陸寸前の飛行機のドアにつかまるシーンも、本人が演じています。このときの飛行機はなんと、時速400km。両足が宙に浮いた状態です。

そんな“ホンモノ志向”の演技に、さらに最新技術も加わったのが今回の特徴です。
前作のライバル“アイスマン”役の俳優、ヴァル・キルマーは、咽頭のがんで発声機能に障害があり、声が出づらい。そこでイギリスの企業が、昔の声を集め、AI技術によって声を再現し、今作に出演しています。
ホンモノにこだわり尽くして、最新技術も加えた、今作の制作費は約230億円となっています。

また、トム・クルーズのこだわりは作品だけではありません。徹底したファンサービス、そこにもトム・クルーズの映画へのこだわりがあります。

「映画館で観てもらいたい…」トム・クルーズの徹底したファンサービス

5月に来日した際も、もともと1時間だった予定をトム自ら「2時間欲しい」など話し、一人一人にファンサービスを行っています。
これについて、映画パーソナリティの伊藤さとりさんによると、「映画館で観てもらいたいという思いが強く、率先してファンサービスを行っている」といいます。

トム・クルーズの神対応は、通訳さんにまで…。
めざまし8は、30年にわたりトム・クルーズの通訳を務める戸田奈津子さんを取材。トム・クルーズの素顔を聞きました。

映画字幕翻訳者 戸田奈津子さん:
もう10年以上前、非常に驚いたんだけど、デパートからお歳暮が来たのよ。のし紙がついていて、トム・クルーズって筆で書いてあったんですよ

トム・クルーズの通訳を担当して約30年、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さん。10年以上前、トム・クルーズからのし紙付きのお歳暮が届いたといい、それ以降、毎年誕生日とクリスマスにトムから花などのプレゼントが届いているといいます。

映画パーソナリティ 伊藤さとりさん:
人間愛に満ちていまして、戸田さんにいたっても、わざわざトムが戸田さんが訳しやすいように、短めにしゃべるんですよ。そういったことって、なかなか他のハリウッドスターはしないんです。今回もトムがトップガンマーヴェリックは絶対に映画館で、そして、みんなに会えるタイミングでということで、コロナ禍で何度も延期させて、全世界でプロモーションができる状態で会いに行って、上映させるということをやりました

まさに、トム・クルーズの人柄や思いが垣間見える作品が、映画「トップガン マーヴェリック」です。

(めざまし8「わかるまで解説」7月5日放送)