10日に投開票日が迫る参議院選挙。

令和最初の国政選挙となった前回の参院選は投票率が48.80%とこれまでで2番目に低い結果となってしまっただけに、今回の投票率に注目が集まっている。

前回の参院選で21年ぶりの50%割れ

過去、最も高い投票率となった参院選は、大平内閣のもとで行われた昭和55年の74.54%。衆院と同じ日に行われた、初の「衆参同日選挙」だった。

一方で過去最低は、村山内閣のもとで行われた平成7年の44.52%。その後は50%台で推移してきたが、前回の参院選で21年ぶりに50%を割ってしまった。

20代投票率は60代の半分以下

前回参院選の年代別の投票率を見てみると、最も高かったのが60歳代の63.58%で、最も低かったのが20歳代の30.96%。20歳代は60歳代の半分以下の低さとなった。

20歳代は過去10回の参院選を見ても30%台以下で推移しており、いずれも年代別で最も低く、平成7年の参院選では25.15%、4人に1人しか投票に行かない数字まで落ち込んだ。

選挙権を得られる年齢が18歳以上に引き下げられた18・19歳の10代は、前々回の平成28年は46.78%だったが、前回は32.28%と約3割低下した。

選挙に行かない理由は

若い世代が投票に行かない理由は何なのか。

総務省が平成28年に全国の18歳~20歳の男女3000人を対象に行った意識調査によると、「投票に行かなかった」と答えたのは、47.5%の1426人。投票に行かなかった理由については、上から「今住んでいる市区町村で投票することができなかったから」「選挙にあまり関心がなかったから」「投票に行くのが面倒だったから」となった。

意外と高い東京都の投票率

都道府県別の投票率では、前回の参院選で最高は山形県の60.74%で、最低は徳島県の38.59%だった。東京都は若い世代が比較的多いが、全国11番目の51.77%と、全国平均を3ポイント程度上回る結果となった。

意外と高い東京都の投票率
意外と高い東京都の投票率
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投票率アップどこまで

投票率ワースト2位となった前回の参院選だが、期日前投票の利用者は1706万人超と参院選として過去最高となった。期日前投票とは、投開票当日に旅行や仕事などのために投票出来ない人が利用できる制度だ。各市区町村に1カ所以上設けられ、時間は原則午前8時30分から午後8時まで。前回は投票者全体の3人に1人の33%が利用するなど、年々利用者が増加している。

また、民間企業などでも投票した際にもらえる投票済証明書など、投票に行ったことを示せば、割引などのサービスが受けられる動きも広がっていて、投票率アップに向けて様々な試みが行われている。

ロシアによるウクライナ侵攻などで日本を取り巻く環境が激しく変化し、物価高対策などが大きな争点となる参院選。投票率がどこまで回復するのか、若い世代が低投票率から脱却できるのかも一つの焦点となっている。

(執筆:フジテレビ政治部)

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