新潟県医師会広報委員会の協力のもと、新型コロナウイルスのワクチン接種について気になる疑問を医師に聞いた。

重症化リスクは低くても…“子どものワクチン接種”必要性は?

杉山萌奈アナウンサー:
これまでに、日本で新型コロナウイルスに感染したのは900万人あまり(6月29日現在)。厚生労働省は6月、次のような重症化率を公表しました

厚労省は、30代と比較すると、60代は25倍、80代は71倍などと、年齢が上がるほど重症化しやすいことを示した。

各年代の重症化率
各年代の重症化率
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この重症化を抑える効果が期待されるワクチン。
新潟は全国トップクラスの接種率を誇っているが、重症化リスクが低いとされる5歳~11歳では1回目のワクチン接種率が低く、27.7%にとどまっているのが現状だ。(2022年6月15日現在)

5歳~11歳の1回目接種率
5歳~11歳の1回目接種率

この子どものワクチン接種の必要性について、新潟県医療調整本部の松澤知医師に聞いた。

新潟県医療調整本部 松澤知 医師
新潟県医療調整本部 松澤知 医師

杉山萌奈アナウンサー:
子どもは大人よりも重症化リスクが低いと言われているが、ワクチン接種はしたほうがいい? 

新潟県医療調整本部 松澤知 医師:
頻度は低いが、重症化した例は確かに存在している。小児の新型コロナ後遺症、「り患後症状」と今は呼ぶが、ワクチンの効果が一定程度認められるという報告もある。り患後症状を減らしていく意味でもワクチンは重要だと考える

日本では、新型コロナウイルスに感染した10歳未満で7人、10代で8人の死亡が確認されている(6月21日現在・厚労省)。
松澤医師は、5歳~11歳は2回のワクチン接種で発症を約5割、入院を約7割減らせる効果があると指摘。

それでも接種率が上がらない理由の一つに、接種後に体内で免疫ができる過程で現れる「副反応」が挙げられると言う。

新潟県医療調整本部 松澤知 医師:
デメリットとしては副反応のデータがある。発熱・腕の痛みは一定程度みられている。こうした反応は起こるものとして、ワクチン接種を受けていただきたい

ワクチン接種のデメリットは
ワクチン接種のデメリットは

「不安なくして接種を」10代までに多い“ストレス関連反応”

倦怠感や頭痛・筋肉痛などの症状は5歳~11歳は頻度が少ないというデータがあるものの、10歳未満と10代はワクチン接種の経験が少ないことから、ほかの年代に比べて「ストレス関連反応・ISRRを起こしやすい」と、新潟大学大学院の齋藤昭彦教授は指摘する。

5~11歳の2回目接種後の主な症状
5~11歳の2回目接種後の主な症状
10歳未満・10代が起こしやすい「ストレス関連反応・ISRR」
10歳未満・10代が起こしやすい「ストレス関連反応・ISRR」

ISRRとは予防接種に対して不安に思うことが原因で、息切れ・めまい・失神といった症状が起こること。

ストレス関連反応・ISRRとは?
ストレス関連反応・ISRRとは?

新潟大学大学院 医歯学総合研究科 齋藤昭彦 医師:
特に10代のお子さんに、接種したあと倒れてしまい、接種会場で横になってから帰ったという報告がある。後遺症を起こすことはないので心配はいらない

新潟大学大学院 医歯学総合研究科 齋藤昭彦 医師
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 齋藤昭彦 医師

不安がなくなれば、よくなるISRR。
患者に寄り添える医療従事者を増やすために、県は齋藤医師による講義の機会などを提供し、医療・接種体制の強化に努めていると言う。

新潟県医療調整本部 松澤知 医師:
全ての医療機関でエピペン(アナフィラキシー補助治療剤)など、アナフィラキシー症状が起こった時のための準備もしているので、安心して接種していただきたい。お子さんを守る重要なワクチン接種ということを、お子さん自身・親御さんが理解して、接種を検討していただきたい

そして、第6波では12歳以上の3回目の接種率が上がるとともに感染者が減少したことから、県は「まだ3回目までの接種が終わっていない人」への接種も呼びかけている。

12歳以上の3回目接種率と第6波の感染動向
12歳以上の3回目接種率と第6波の感染動向

また、対象者を限定した4回目の接種が始まっている。

4回目接種もスタート「リスク上回る利益ある」

杉山萌奈アナウンサー:
18歳~60歳未満の3回目接種が終わった人に、新潟市は4回目接種の案内ハガキを発送しています。ただ、これは接種券ではないため注意が必要です

4回目接種の案内ハガキ(新潟市)
4回目接種の案内ハガキ(新潟市)

新潟県医療調整本部 松澤知 医師:
60歳以上の人は接種券が届くと思うが、18歳以上60歳未満の方で基礎疾患を有する方や重症化リスクが高いと医師が認める方については、接種券の発行に申請が必要な時がある

これまでに、ワクチンが原因で亡くなったと判定されたケースはない。接種後に副反応を疑う症状が出た場合には、接種した医療機関やかかりつけ医などを受診するよう呼びかけている。

新潟県医療調整本部 松澤知 医師:
現時点で、ワクチン接種におけるベネフィット(利益)がリスクを上回ると考えられている。ワクチン接種に影響を与える重大な事象は起きていないと考えられている

新潟県医師会のホームページでは、ワクチン接種に対しての正しい情報を分かりやすく発信し、県民に向けた情報提供にも力を入れている。

(NST新潟総合テレビ)