東京パラリンピック開会式で布袋寅泰さんと共演し、注目された長野市の川崎昭仁さん。長野県南箕輪村の小学校を訪れ、子どもたちの前で演奏を披露した。

電動車いすでの生活「僕にとってはこれが普通」

川崎昭仁さん:
ご覧の通り、僕は車いすに乗っています。手もちょっと変形したりしています。2歳の時に病気になってしまって、それからもう車いすの生活をしています。僕にとってはこれが普通なんです

児童たちに語りかける車いすの男性。長野市の川崎昭仁さん(54)だ。6月16日、南箕輪村の小学校で、車いす利用者についての理解を広めるため講演会を開いた。

川崎昭仁さん(54)
川崎昭仁さん(54)
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川崎さんは、2021年の東京パラリンピック開会式で、ギタリストの布袋寅泰さんとともに演奏を披露した「車いすのギタリスト」。モヒカン頭でカッコよく演奏する姿は注目を集めた。

小さいころに原因不明の高熱で手足にまひが残った川崎さん。その後、障がいのある人がギターを弾く姿を見たのをきっかけに練習を始め、曲がった指で演奏する方法を独自に編み出した。ギター歴は40年になる。

東京パラリンピック開会式では、オーディションに合格し、憧れの布袋さんとのコラボを実現させた。

川崎昭仁さん:
高校生の時に憧れていた人だったので、憧れの人とギターを弾けるなんて夢のような経験。(車いすでも)自分の好きなことをやっています

普段は電動車いすで生活している。

川崎昭仁さん:
プレステのコントローラーみたいなのがついている。これを前に倒すと前に動く、後ろに倒すと後ろに動く

段差がない場所はある程度、自分で行き来することができる。この日は、児童が電動車いすの操作を体験した。

川崎昭仁さん:
いいね、いいね。マリオみたいにジャンプはしないけど。ジャンプできたら便利だよね

児童:
ジャンプできたら階段上れる

川崎昭仁さん:
そうだね。車いすで不便なこともたくさんあるけど、便利な車いすに乗って快適に過ごしている

できないこともあるが、多くの人に支えられて

そして、子どもたちもお待ちかね、ギターの演奏。人気アニメの主題歌を一曲演奏した。

6月24日、25日にアゼルバイジャンの芸術際にも招かれた川崎さん。好きなことに打ち込んでいるが、それができているのは介助人によるサポートが大きいと話す。

川崎昭仁さん:
やっぱりできないこととか、不便なことはたくさんあって。好きなところに行って、好きなことができるのも、支えてくれる人がいるからできているのを、ありがたいなと感謝しています

講演と演奏を聞いた児童は…。

児童:
ああいう体になっても、音楽をやっているのがすごいと思った

児童:
楽しんでそうだなと思いました、生活を。いろいろ不便なところもあるけど、音楽とか好きなことをやってていいなと

車いすでも、やりたいことをやって楽しめる。川崎さんは、今後もこうした活動を通じて、理解を広めていきたいとしている。

川崎昭仁さん:
「車いす=何もできない・大変」というイメージもあると思うんですけど、いろんな人に助けてもらいながら、ビッグチャンスもつかんで、好きなことをやっているんだなというのが伝われば

(長野放送)

長野放送
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