人手不足の解消に向けてパスタを自動調理するロボットが登場した。

作業時間は従業員の3分の1

テーブルに並んだ色鮮やかなパスタ。 調理を行うのは世界初のパスタ自動調理ロボットだ。

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大手飲食チェーンのプロントコーポレーションは、このロボットを導入した新業態のレストランを6月30日から、東京・丸ビルにオープンする。

注文が入ると10秒ほどで麺をゆであげ、特殊な形状のフライパンに投入。8種類のメニューに応じ、混ぜるスピードなどを変えながら、従来の2倍以上の火力でソースや具材を一気に絡めていく。

麺が投入されてから1分10秒後に一品目のパスタが盛り付けへ。

2品目以降は、麺をゆで始めてからソースを絡めるまで、従業員が調理する3分の1の約45秒で仕上げ、トッピングと提供のみ従業員が行う。

気になるお味だが、麺の固さはアルデンテ、具材との相性も抜群に仕上がっている。

作業時間の効率化をはかることが出来るロボットの導入により、通常2、3人必要な厨房の従業員が1人から2人いればよくなり、人手不足の解消につながるという。

プロントコーポレーションのインキュベーションカンパニー企画開発部・石浜俊青マネージャーは「外食産業は人手不足があり、この先も当然続いていくので、ロボットで調理できるというところは非常に魅力的で、今後はまず年内で3店舗を目標にやっていきたいと思っています。店舗をどんどん広げていければと思っています」と今後の展開を見据える。

熟練の技を多店舗で展開

三田友梨佳キャスター:
早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに聞きます。モノづくりに詳しい長内さんの目に自動パスタロボットはどう映りましたか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
半世紀程前の話ですが、ソニーのメカエンジニアがイタリア赴任時代にパスタにはまり、パスタの製麺機や自動ゆで上げ機などを自分で作ってしまい、創業者の盛田昭夫氏の応援もあって銀座のソニービルの中に当時はまだ珍しかった 「あるでん亭」というパスタ専門店を開きました。

ただ、このように日本はメカトロニクスが強い割に、外食産業の自動化はなかなか進んでいません。

三田キャスター:
なぜ、これまで外食産業では製造業と比べてロボット化などが進まなかったのでしょうか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
80年代、90年代、自動車産業は輸出が大いに伸びて、少ない人数でクルマを作って生産性を上げて行こうということでロボット化に熱心に取り組みました。

一方、外食産業ではパートやアルバイトを雇用すれば利益を確保できた時代が長く続きました。 それが今、人手不足や最低賃金の上昇などにより少人数でお店を回す生産性の向上に迫られています。

三田キャスター:
確かに外食産業における人手不足対策は待った無しですよね。

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
今回の試みでポイントなのは、パスタの調理工程を自動化したということだけでなくて、人材教育をしなくてもプロの味が実現できることです。

少子化で日本の産業の将来が心配されていますが、テクノロジーで自動化できるところは自動化すれば、少子化・人口減でも社会的サービスの質を落とさない未来が可能かもしれません。

三田キャスター:
ただ家族経営のお店にとってはロボット化などはなかなかハードルが高いのではないですか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん:
確かに大規模な設備を入れられるのは、大手チェーンだけかもしれません。ただ、食べる物には情緒的な価値があるので、高級店には高級店の、チェーン店にはチェーン店の、個人経営には個人経営の良さがあって、それらを使い分ける、あるいは食べ分けることが重要だと思います。

人生平均寿命を考えると大体9万食しか食べられないんですよ。一食一食を大切に食べていく未来が訪れるのではないでしょうか。

三田キャスター:
飲食店それぞれの形がより顕著になっていきそうですね。ロボットを活用することで、人だからこそできるような温かみのある接客など付加価値の高い業務への対応を強化することもできるのかもしれません。

(「Live News α」6月27日放送分)

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