いま、各地で売り切れの店舗が続出するヤクルト1000シリーズ。

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いさみ屋小竹向原店 店長
1時間しないうちに品切れになってしまいまして、急に売れるようになりましたので、供給が追いつかなくなってしまった

この品薄状態に、ネット上では通常の3倍以上で出品する高額転売も...いまや“幻の飲み物”とも言われるヤクルト1000ですが、その人気の理由とは?

SNSの声
驚くほどぐっすり眠れる

2021年の発売以降「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」が期待できると、SNSで話題となり、あっという間に品薄に。

いま、多くの人々が求めている“睡眠の質”向上。

こうした“より良い睡眠”を求める声は、これから夏場にかけてさらに増える可能性も。

“快適な睡眠”を手に入れるために、私たちができることを解説します。

“快眠サポート市場”急拡大でヤクルト1000が品薄に

いま、睡眠に不安を抱える人々に爆発的な人気をよんでいるヤクルト1000シリーズ。

ヤクルト本社によると7月から生産体制の強化、宅配用の「ヤクルト1000」に関しても、秋の生産体制強化に向けて準備中だといいます。

実は、この騒動の背景にあるのが“快眠サポート市場”の急拡大です。

「ストレス緩和」「睡眠サポート」機能をうたう飲食料品の市場規模は、2019年の104億円から3年間で3倍以上の331億円(2022年予測)に伸びています。(※富士経済調べ)

では、なぜいま、快眠市場の需要が増えているのでしょうか?

平均睡眠時間が世界最低レベル

2021年に報告された、OECD(経済協力開発機構)加盟国33カ国による「世界各国の1日の平均睡眠時間」調査によると、世界の平均が8時間28分に対し、日本は最下位となる7時間22分という結果に。

ただ、世界最低とはいえ7時間は寝ている日本人。

これは短いと言えるのでしょうか?

東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修さん
必要な睡眠時間というのは、個人によって異なります。大切なのは、睡眠の質×時間です。質がよければ、睡眠時間5時間でも、問題なくやっていける人もいれば、睡眠の質が悪い人っていうのは10時間寝ても足りないということもあります。大事なのは睡眠の質です

睡眠時間の長さについては、人によって最適な時間が異なるということなのですが、実は、もう一つ気になるデータがあります。

ヘルスケア機器などを販売する「フィリップス」が、2021年に発表したデータによると日本人の約7割が“睡眠に満足していない”と回答しているのです。

「寝ながらのスマホは厳禁」生活習慣病悪化リスクも

では、一体何が問題なのか?

実際に、自身の睡眠に不満を持つ方を取材しました。

Aさん(40代女性会社員・独身)の場合、睡眠の悩みは「2時間おきに目が覚める」ことでした。

では、どんな生活を行っているのでしょうか?

Aさんの睡眠時間は、1日平均約7時間。

午前8時に起床し出勤、午前9時から会社で働き、帰宅するのは午後9時。

帰宅後夕食をとり、午後10時にシャワーあびて、午後11時からテレビを見たり電子書籍を読むなど余暇を過ごし、午前0時には布団の中へ。

しかし、すぐには就寝せず、スマホゲームなどをしながら、午前1時頃に眠りにつくという生活。

一見、生活のリズムに大きな違和感はないようにも思えるのですが、梶本さんが提案する改善点が「入浴時間を就寝前に、寝ながらのスマホは厳禁」だといいます。

東京疲労・睡眠クリニック院長 梶本修さん
やはり、睡眠環境が非常に大切なのですが、寝る前の準備というのが大切です。その点で、入浴というのはやはり就寝の90分前から60分前に入っていただいて、体温を暖めていく段階で睡眠の質がよくなっていきます。また、寝る前のスマホというのは、脳を活性化させてしまいますので、寝入りに非常に邪魔になります。少なくともベッドにスマホを持ち込むのをやめていただいて、スマホを置いてからお風呂に入って、その後はゆっくりと休んでいただくのがよいと思います

ちょっとした工夫でも、変えられる睡眠の質。

しかし、これを放置してしまうと、最悪の事態も。

アメリカのスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所が提唱している“睡眠負債”。これは慢性的に睡眠不足が積み重なった状態のことをお金の借金になぞらえたものです。

眠りが悪くなってくると、度重なる自律神経の乱れにより高血圧・心筋梗塞・糖尿病などの生活習慣病の悪化を招くリスクがあるとされており、これは、寝だめでは解消されないといいます。

また、生活リズムの乱れはコロナ禍にも関係があるといいます。

テレワークで不眠増?生活リズムの乱れが原因か

睡眠の研究をする専門会社が2021年公表したデータでは、テレワークの頻度と睡眠の質を比較しています。

データでは、テレワークをほぼ毎日していた人や在宅勤務なしの人が睡眠の質がよいことがわかります。

しかし、週に1~2回テレワークの人が最も睡眠の質が低下しているといい、変則的なテレワークが生活リズムの乱れに繋がっています。

気づかぬうちに溜まる“睡眠負債”、かなりの人が予備軍になっているとも言われています。

そんな睡眠に不安を抱える人々にとって悩ましいのが、寝苦しさが増す梅雨の時期。睡眠にも様々な影響があるといいます。

1つ目の影響は「無意識の脱水症状」

湿気で“のどの渇きに”気づかず脱水症状に。また、血行が悪くなり自律神経が乱れ眠りを妨げる要因にもなるといいます。対策方法は、就寝前にコップ1杯分の水で水分を補給することです。

2つ目の影響は「湿気を含んだ寝具」

汗の吸収が鈍くなることで体温コントロールに影響し、深部体温が下がらず眠りを妨げる要因に。対策方法は、乾燥機などで定期的に寝具を乾燥させることです。

睡眠改善に効果的な「478呼吸法」とは

さらに、夏本番となれば寝苦しさで、睡眠の質も下がりやすいですが、実は、夏場のマスク着用も睡眠を妨げる原因になる可能性があるといいます。

夏場は、脳がオーバーヒートしやすく自律神経が乱れやすく不眠症の原因に。さらに、マスクの着用で、その影響が出やすくなります。

そんな夏ならではの、問題を解消する方法が「478呼吸法」です。

「478呼吸法」とは、4秒鼻から吸って7秒止めて口から8秒かけて吐く。これを3セット繰り返します。

こうすることで、脳のオーバーヒートをクールダウンさせることができ、不眠を和らげることができます。

梶本さんによると、帰宅後、クーラーの前で(温度は22度~24度に設定)で行うのがベストだといいます。

夏本番となるこれからの季節、睡眠の質を保つためにも、ちょっとした一手間が大切になります。

(めざまし8「わかるまで解説」6月21日放送より)