今、話題のヤクルト史上最高密度の「乳酸菌 シロタ株」を含んだ乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト1000(宅配商品)」と「Y1000(店頭商品)」。

この「ヤクルト1000」と「Y1000」のHPで紹介されている臨床試験の対象が、「試験を控えた医学部の4年生」であることが、Twitter上で話題となっている。
話題のヤクルト1000、何となく調べてみたら、研究対象にストレス負荷されたマウスとかではなく、”進級に関わる試験を受ける医学部生”が使われてるの草すぎたwww pic.twitter.com/qcAIfWsWcM
— ぺんぎん医学生 (@Dr_Penguinnn) May 7, 2022
投稿したのは、「ぺんぎん医学生(@Dr_Penguinnn)」さん。
「話題のヤクルト1000、何となく調べてみたら、研究対象にストレス負荷されたマウスとかではなく、”進級に関わる試験を受ける医学部生”が使われてるの草すぎたwww」とのコメントと共に、「ヤクルト1000」のHPの一部を、画像として貼り付けている。
このツイートは、1万7000以上リツイートされ、3万1000以上の「いいね」がつくなど、拡散している(5月27日現在)
臨床試験の対象は「進級に重要な学術試験を受験する医学部4年生」
この臨床試験は、YouTubeの「株式会社ヤクルト本社 公式チャンネル」が投稿した動画によると、「一時的な精神的ストレスがかかる状況での『乳酸菌 シロタ株』の研究成果。『ストレス緩和』『睡眠の質の向上』」。
動画によると、「進級に重要な学術試験を受験する医学部の4年生」が、1本100ミリリットルに「乳酸菌 シロタ株」が1000億個含まれている乳酸菌飲料を飲むことにより、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」と「睡眠の質の向上」が認められたという。
「ストレス緩和に対する臨床試験」は、「進級に重要な学術試験を受験する医学部の4年生」47人を対象に行った。

「乳酸菌 シロタ株が1000億個含まれている乳酸菌飲料を飲むグループ」と「味や外見は同じで乳酸菌 シロタ株を含まない疑似飲料=プラセボを飲むグループ」に分け、学術試験の8週間前から、それぞれ飲んでもらった。
その結果、「プラセボを飲んだグループ」に比べ、「乳酸菌 シロタ株を飲んだグループ」は、学術試験に伴うストレスの体感が軽減されたという。

ストレス緩和を別の角度から検証するため、ストレス下で増加すると報告されている、唾液中の「コルチゾール」の値も計測した。
こちらの対象は、「進級に重要な学術試験を受験する医学部の4年生」140人。
こちらも「乳酸菌 シロタ株が1000億個含まれている乳酸菌飲料を飲むグループ」と「味や外見は同じで乳酸菌 シロタ株を含まない疑似飲料=プラセボを飲むグループ」に分け、臨床試験を3年度にわたり実施。
対象者140人の試験のデータをとりまとめて、解析した結果、「乳酸菌 シロタ株を飲んだグループ」は唾液中のコルチゾールの分泌の上昇が抑制されていることが分かった。

「睡眠の質に対する臨床試験」の対象は、「進級に重要な学術試験を受験する医学部の4年生」94人。
こちらも「乳酸菌 シロタ株が1000億個含まれている乳酸菌飲料を飲むグループ」と「味や外見は同じで乳酸菌 シロタ株を含まない疑似飲料=プラセボを飲むグループ」に分け、臨床試験を2年度にわたり実施した。
試験前8週間から試験後3週間までの期間にそれぞれ飲んでもらい、脳波の解析の結果、「乳酸菌 シロタ株を飲んだグループ」は睡眠の質が維持・向上していることが確認され、よりすっきりした目覚めを体感したという。


これを受け、「これらの臨床試験(ヒト試験)の結果、1本100ミリリットルに乳酸菌 シロタ株が1000億個含まれている乳酸菌飲料を継続摂取することにより、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレス緩和・睡眠の質を高める機能が認められた」と結論付けている。

このように、「ヤクルト1000」と「Y1000」は、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」と「睡眠の質の向上」が認められたわけだが、そもそも、臨床試験の対象に「進級に重要な学術試験を控えた医学部の4年生」を選んだのは、なぜなのか?
臨床試験の対象がTwitter上で話題になっていることについては、どのように受け止めているのか?
ヤクルト本社・広報室の担当者に話を聞いた。
被験者グループを選んだ理由
――臨床試験の被験者として「進級に重要な学術試験を控えた医学部の4年生」を選んだ理由は?
「進級に重要な学術試験を控えた医学部の4年生」は、学術試験に合格しなければ進級できず、試験前には精神的ストレスがかかる状況となるため、ヒト試験の対象としました。
――どのように被験者を集めた?
非開示のため、回答を差し控えます。
――今回は他にどんな被験者グループが案としてあがった?
回答を差し控えます。

――ツイッター上では、臨床試験の対象として「進級に重要な学術試験を控えた医学部の4年生」を選んだことが話題となっている。これはどのように受け止めている?
話題になっていることは、うれしく思います。
学術試験に伴うストレスの体感が軽減
――「乳酸菌 シロタ株を飲んだ後のストレス体感の変化」について。この「ストレス体感」とは何?
ストレスをどの程度、感じたかを「Visual Analog Scale(VAS:視覚的アナログ尺度)」を用いて、評価した結果です。
長さ100ミリの黒い直線の左端が「ストレスがまったくなかった(0ミリ)」、右端が「耐えられないほど強いストレスを感じた(100ミリ)」とし、評価対象の週にどの程度、ストレスを感じたか、該当する箇所に印を付けてもらいました。
――「乳酸菌 シロタ株を飲んだグループ」は、学術試験に伴うストレスの体感が軽減された。この理由としてはどのようなことが考えられる?
「乳酸菌 シロタ株」を高密度で飲用することで、神経系に穏やかに作用し、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスをやわらげる機能があるのではないかと考えています。

――「ストレス下で増加することが報告されている、唾液中のコルチゾールの値を計測した」臨床試験の結果、「乳酸菌 シロタ株を飲んだグループ」は、唾液中のコルチゾールの分泌の上昇が抑制されたことが分かった。この理由としてはどのようなことが考えられる?
コルチゾールは、ストレスを受けたときに脳からの刺激を受けて、分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれ、唾液中のコルチゾールはストレス下で増加することが報告されています。
「乳酸菌 シロタ株」を高密度で飲用することにより、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスが緩和されたことで、唾液中コルチゾールの分泌が抑制されたと考えています。
睡眠の質が維持・向上していることを確認
――「睡眠の質」に関する臨床試験では、2つのグループに「試験前8週間」から「試験後3週間」までの期間に、 それぞれ、「乳酸菌 シロタ株」と「プラセボ」を飲んでもらった。飲む期間をこのように設定した理由は?
薬ではなく、食品(飲料)として継続的に飲用してもらうことを想定しているためです。
――この臨床試験で、脳波の解析の結果、「乳酸菌 シロタ株」を飲んだグループは、睡眠の質が維持・向上していることが確認され、より、すっきりした目覚めを体感した。この理由としてはどのようなことが考えられる?
メカニズムについては、高密度な「乳酸菌 シロタ株」が神経系に穏やかに作用することで一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」「睡眠の質向上」をもたらすのではないかと、これまでの研究で考えられています。

――今回の臨床試験の結果、どのように受け止めている?
高菌数、高密度の「乳酸菌 シロタ株」を摂取することによって、一時的な精神的ストレスがかかる状況での「ストレス緩和」や「睡眠の質向上」の機能性が期待できることを示す結果であると考えています。
話題の「ヤクルト1000」と「Y1000」。「進級に重要な学術試験を受験する医学部4年生」のように、一時的な精神的ストレスがかかる状況にある人は、継続的に飲んでみてはいかがだろうか。