「約束したことなんで、約束は反故にできないと僕は思っています。政治不信が高まるばかりなので、言ったことは実行しましょう」。13日、日本維新の会の遠藤敬国対委員長が会見を行い、「文通費」改革を巡る自民党の姿勢について苦言を呈した。結論が先送りされることを警戒する形での発言だ。

日割り支給で合意も…

事の発端は、国会議員に毎月100万円支給される「文書通信交通滞在費」(いわゆる「文通費」、現在は「調査研究広報滞在費」)の見直し協議だ。文通費は、国会議員の給与に当たる歳費とは別に、国会議員に毎月100万円支給されるが、非課税の上、使い道を公開する義務がないことから、国会議員の「第二の給与」とも揶揄されてきた。去年10月末の衆院選で当選した新人議員らが、在職1日にも関わらず、10月分の満額100万円が支給されたことで批判の声が上がっていた。

世論の後押しもあり、文通費に関して自民党や立憲民主党、日本維新の会など6党が参加する与野党協議会が2月に設置された。4月には「日割り支給」とする改正案が成立し、文通費の名称も「調査研究広報滞在費」と変更された。

しかし、去年の臨時国会から野党側が求めていた「日割り支給」「使い道の公開」「使わなかった分の国庫への返納」という“3点セット”のうち、「使い道の公開」と「使わなかった分の国庫への返納」については、「今国会中に結論を得る」という合意がなされ、協議を継続することになった。この時、自民党の高木国対委員長は、「『結論を得る』というのは法改正を行うということか」との記者からの質問に対して、「もちろんそういうことだ」と述べている。 

自民党・高木国対委員長
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使い道を決めるには「大きな政治判断が必要」

文通費を巡る与野党協議会は計10回行われ、6月3日に「議論の経緯と整理」と題した文書を取りまとめた。

この文書によると、使い道について明確に書かれているのは「選挙活動などの、政務に関する議員活動に当たらない使途は認められないことが確認された」という部分だけだ。支出の在り方、つまり「何に使って良いか」については、「政治活動の自由を確保し、国会議員の自律的判断を尊重する観点と、誤解を与えやすい費目に対する支出は極力抑制的であるべきとの観点の折衷点をいかに導き出すか」として、様々指摘した上で「折衷点を導き出すためには大きな政治判断が必要と考える」とした。

使途の公開の是非については、「公開の前提となる使途の範囲についての大きな方向性を定めた上で、公開の範囲、対象期間、時期、形式や方法、費目の整理、領収書添付の有無など検討を要するものと考える」と指摘している。つまり、使い道の範囲が定まらなければ、公開の是非について結論を得るのは難しいということだ。 

日本維新の会・遠藤敬国会対策委員長 「文通費」改革を巡る自民党の姿勢について苦言を呈した(6月13日)

未使用分返納も「更なる検討」

同じく野党側が求めていた国庫の返納については、「残余の扱い」という項目で「国庫返納を求める意見がある一方、前提となる使途の範囲について大きな方向性を定めることが必要であるとの意見も多く、更なる検討を要する」とのみ書かれている。これも使い道の範囲を決めることが前提としている。

「大きな政治判断が必要」とする使い道の範囲を決定しなければ、使途の公開も未使用分返納も議論が進まないこととなる。

野党は、「議論の経緯と整理」の文書をもとに、文通費の取り扱いについて与野党の国対委員長間で合意することを目指していたが、各党による会談は13日となっても行われていない。立憲民主党幹部によると、与党側にアプローチをしても応じる姿勢を見せていないと話す。使途や公開の決定について、2月から議論を重ねたにもかかわらず、“更なる検討”をした上で、“大きな政治的な判断”が必要なことだと国民は感じるのか。閉会まであと2日、与野党の動向を注視する必要がある。 

(フジテレビ政治部・原佑輔) 

記事 6 原 佑輔

関西テレビ・東京駐在記者、フジテレビ政治部で野党担当。1986年愛知県生まれ。立命館大学卒業後、2009年関西テレビ入社。大阪府警、行政(大阪府・市)、大阪地検特捜部などの担当、京都支局長を経て現職。