2020年、福岡・篠栗町で当時5歳だった碇翔士郎ちゃんが餓死した事件の裁判。
母親の碇利恵被告(40)と、いわゆる“ママ友”だった赤堀恵美子被告(49)の2人が保護責任者遺棄致死の罪で起訴されている。

保護責任者遺棄致死の罪で起訴された母親の碇利恵被告
保護責任者遺棄致死の罪で起訴された母親の碇利恵被告
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日高朋美記者:
午前9時、裁判所前です。傍聴券を求める人が並んでいます

6月10日、母親の碇被告の第5回公判が開かれた。開廷前、傍聴券を求めて多くの人が集まった。その理由は、グレーのTシャツ姿で、白髪交じりの長い髪を束ねて法廷に現れた女だった。

裁判長:
名前は?

赤堀恵美子被告:
赤堀恵美子です

裁判長:
年齢は?

赤堀恵美子被告:
49歳です

証人として出廷した赤堀恵美子被告
証人として出廷した赤堀恵美子被告

事件の主犯格とされ、翔士郎ちゃんの母親を支配していたとされる、いわゆる“ママ友”赤堀恵美子被告が証人として出廷し、事件後、初めて公の場に姿を見せた。

事件後初の公の場に…“ママ友”が証人として出廷

5歳の幼い命を奪った今回の事件の背景にあったとされるのが、赤堀被告による碇被告の実質的支配だ。

碇被告は、赤堀被告から「夫が浮気をしている」「ママ友が悪口を言っている」などさまざまな嘘を吹きこまれ、周囲から孤立。さらに赤堀被告の、暴力団とつながりのある「ボス」という人物の作り話などを信じ、約1,370万円をだまし取られたと主張している。

日高朋美記者:
初めて公の場に現れた赤堀被告。碇被告は、鋭いまなざしで赤堀被告を見る一方、赤堀被告が碇被告を見ることはありませんでした

証人尋問(6月10日)

検察側:
あなたは碇被告と面識がありますね?

赤堀恵美子被告:
はい

検察側:
子どもさんを通じて知り合う、いわゆるママ友ですね?

赤堀恵美子被告:
これから私の裁判があるので答えません

「質問には答えない」と述べた赤堀被告
「質問には答えない」と述べた赤堀被告

検察側:
あなたは碇被告とともに、翔士郎ちゃんを飢餓死させた保護責任者遺棄致死の罪で裁判にかかっていますね?

赤堀恵美子被告:
答えません。ここからの質問について答えません

赤堀被告は、「質問に答えない」と宣言した。

「異常だと思った」 母親が語った絶食生活

検察側の冒頭陳述などによると、赤堀被告は「質素な生活をしないと離婚した夫との慰謝料の裁判に勝てない」「食べ過ぎたらいけない」などと碇被告を言いくるめ、食生活までも支配。
赤堀被告が提供する食料だけで、碇被告と子どもたちが生活するようにルールを定めたという。
2020年4月に翔士郎ちゃんが死亡した時の体重は、5歳児の平均の半分ほどの10.2kgだった。

亡くなった翔士郎ちゃん(当時5)
亡くなった翔士郎ちゃん(当時5)

被告人質問で碇被告が語った、壮絶な絶食生活とは…

被告人質問(6月9日)

裁判官:
絶食は長くてどれくらい?

碇利恵被告:
15日くらいだったと思う。クッキー1枚を食べちゃったことはあった。赤堀被告が「お前は食べたけん、プラス3日ね」などで15日に伸びた

裁判官:
異常と思ったことはあった?

碇利恵被告:
思いました。「あんたはこれを食べたけん、3日なしね」とか、期間がだんだん延びていったので「それはないやろ」と思った。でも言えなかった

少なくとも12回…「答えません」を連発

翔士郎ちゃんのことを問われた赤堀被告は…

証人尋問(6月10日)

弁護側:
赤堀さん、あなたに責任を問うてないが、翔士郎ちゃんが亡くなったことは知っている?

赤堀恵美子被告:
答えません。さっきも言いましたが、これから私の裁判があるので控えます

「答えません」と続ける赤堀被告
「答えません」と続ける赤堀被告

弁護側:
知ってるかどうかだけです

赤堀恵美子被告は、無言だった。

弁護側:
亡くなったことの責任は誰にある?

赤堀恵美子被告:
答えません

碇被告の弁護側の質問を全て答えなかった赤堀被告。

裁判員からも質問が投げかけられたが…

裁判員:
子どもが亡くなったことに対してどう考えてる、感じてる?

赤堀恵美子被告:
答えません

無回答を貫き通す赤堀被告に対し、碇被告の弁護側は質問を投げかけ続けた。

弁護側:
利恵さんと面識あるんですよね? さっき“はい”と言った?

赤堀恵美子被告:
はい

弁護側:
利恵さんが一軒家に住んでいたことは知ってる?

赤堀恵美子被告:
答えません

弁護側:
あなたは賃貸に住んでいた?

赤堀恵美子被告:
答えません

弁護側:
利恵さんが、夫婦仲が良かったの知ってますよね?

赤堀恵美子被告:
答えません

弁護側:
利恵さんと赤堀さんの生活の違いから、ねたましかった?

赤堀恵美子被告:
答えません

赤堀被告が「答えません」と言った数は、少なくとも12回だった。1時間予定されていた証人尋問は、わずか17分で打ち切られ、赤堀被告は足早に法廷を後にした。

碇被告の裁判は、17日に判決が言い渡される予定だ。

(テレビ西日本)

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