ロシアによる侵攻を受けるウクライナから、新潟県小千谷市へ避難した夫妻が、6月9日に会見を開いた。大きな困難に直面しながらも、日本の生活に溶け込もうと前だけを見据えている。

ロシアの軍事侵攻で「将来が台無しに」

常に手をつなぎ寄り添う夫妻。ガーナ国籍の医師・ムタルサリフさんとウクライナ人のイリナシェフチェンコさん。会見は日本語で始まった。

ガーナ国籍の夫と、ウクライナ人の妻
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ムタル サリフさん:
初めまして。私はサリフです。ウクライナから来ました。生まれはガーナです。医者です

イリナ シェフチェンコさん:
イリナです。ウクライナから来ました。小千谷と寿司が好きです

おぢや避難民支援の会のサポートを受け、5月28日に来日を果たした。

ムタル サリフさん:
2月24日、ロシアがウクライナに侵攻するまで私たちの生活は平和だった

ウクライナの東部・ドニプロで生活していた2人。ロシアによる軍事侵攻が始まったとき、夫のサリフさんはウクライナで研修医として活動し始めた矢先だった。

ムタル サリフさん:
自分の将来が台無しになったという怒りを感じている

妻のイリナさんは、父親をウクライナに残している。

イリナ シェフチェンコさん:
ウクライナの東部からロシア軍の侵攻が激しく、不安で恐怖を感じる

妻・イリナさんの父親はウクライナに

知り合いがいなくても…避難は「最高の選択」

夫妻は3月にスロバキアへ避難したものの、仕事を探す過程でムタルさんへの人種差別に直面。先の見えない避難所での生活も重なり、おぢや避難民支援の会とコンタクトを取った。

ムタル サリフさん:
すごいチャンスかなと思いワクワクしたが、小千谷に知っている人がいるでもなく、最初は妻に言い出せなかった。それでもコンタクトを取るうちに、このチャンスを逃したくないと思った

小千谷市が用意したアパートでの生活は、この日で3日目。受け入れた小千谷市への感謝と日本への好奇心があふれていた。

イリナ シェフチェンコさん:
自然がきれいで、驚くくらい皆さんが親切で。感謝でいっぱい。最高の選択だった

松村道子キャスター:
冒頭、日本語で挨拶されていましたが、来日して10日あまり。どれくらい勉強しているのでしょうか?

おぢや避難民支援の会 鈴木進五 副会長:
日本語のレッスンをしたのは3回程度で正味3時間くらい。細かい言葉は自分たちで興味を持ってピックアップし、覚えてくれている

「本当に幸せ」ウクライナへの思いを胸に新たな生活

夫のサリフさんは、「軍事侵攻が早期に終結すれば、医師としてケガをした市民の手当てをしたい」と話す一方、軍事侵攻が長引けば日本で仕事してお金を稼ぐことで、ウクライナを支援したいと考えている。

ムタル サリフさん:
医師になるための勉強を生かせるような将来が描けることを希望している

そして、妻のイリナさんは「2人で手をつないでいるとき、そこが自分の居場所であると感じる」と話す。

イリナ シェフチェンコさん:
スロバキアでの避難生活では1部屋5人で寝泊まりしていた。小千谷に来て、2人だけの空間を持てることが本当に幸せ

平穏な生活を取り戻した2人は、支援の会のサポートを受けながら小千谷市で生活を整えていく。

(NST新潟総合テレビ)

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