原材料や輸送費などの高騰を受け様々な食品の値上げが相次ぐ中、実は今、値下がりしている食品もあるといいます。食卓のピンチを切り抜けるため、どんな食材に置き換えたらお得になるのか「わかるまで解説」します。

値上げラッシュ 逆に今お得な商品は?

コンビニのコーヒーやビールなどのアルコール飲料も値上げが発表されるなど、家計を直撃する値上げの嵐。帝国データバンクによると、主要な食品メーカーが2022年1年で値上げする食品は1万品目以上にのぼります。すでに6000品目以上が値上げしているものの、今後も止まらない“値上げラッシュ”。家計の負担が増す今、反対に安くなっているものはないのでしょうか。

めざまし8は都内にあるスーパーを取材しました。

買い物に来た主婦:
キャベツ安いですね。小松菜50円なんてありえない。どうしてこんなに安いんだろう。

5月下旬は105円だった小松菜が、なんと半額近くまで安くなっていました。

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さらに食卓には欠かせないあの万能野菜も。

スーパーイズミ 五味衛社長:
ジャガイモは多めで一番安いから、これは買っておいて損はないと思う。

5月下旬まで4個216円だったジャガイモが140円に。野菜や旬の魚などを中心に、実は6月に入って安くなった食材も増えているというのです。

とはいえ、食卓に並ぶ食材の多くは値上げしているものばかり。いま安くなっているものは何なのか。そして、値上げ食材に変わるものは何なのでしょうか。

救世主はお米!「小麦粉より米粉の方が安い」

まず、値上がりしている代表的な食品を見ていきます。

こちらは、小麦を使った食品の種類別の価格です。食パンであれば1斤約15円、スパゲティも100gが約6円、シリアルにいたっては100gで約25円値段が上がっています。
そんな中、救世主となるのは実は、お米なのです。お米に関しては、茶わん1杯あたり約2円値段が安くなっています。

食品問題のプロフェッショナル、消費者問題研究所代表で食アドバイザーの垣田達哉さんに話を聞きました。

消費者問題研究所代表 垣田達哉さん:
米には加工した米粉もあるのですが、今、米粉の人気が少しづつ上がってきて、毎年生産量が増えています。小麦粉の価格が上がった関係で、米粉の方が安いものがあるんです。
なので、米粉パンもすごく安く提供できるということで米粉が1つ注目。
それから、お米というとせんべいの原料がそうなんです。ですから、菓子類は値段が上がっているなかで、お菓子の特売でせんべいは安くなる、ということも考えられます。

お米で節約レシピ「バナナの”ごパン”ケーキ」

そういった中で、今回、番組が注目したのはスイーツ。スイーツというと小麦粉を使うものが多いのですが、小麦粉は値段が上がっています。そこで、お米で代用しようということです。その名も「バナナの”ごパン”ケーキ」。

家庭料理研究家・栄養士の今井真理子さん監修の、作り方はこちら。

まず、卵、温かいごはん、バナナをミキサーなどにかけて、ペースト状にします。

温めたフライパンに油をひいたら、ペースト状になった生地を流し入れて、弱火から中火で3分焼きます。

焼き色が付いたら、ひっくり返して蓋をしてさらに弱火で3分焼きます。

お皿に盛り付けて、バナナをトッピングして、メープルシロップをかけたら完成です。

ポイントは、温かいご飯を使うこと。粒が残りにくくなり、ペースト状にしやすくなるそうです。

さらに、値上がりしている砂糖の代わりにバナナを練り込んで甘みを補うことで、固くならず冷めても美味しいパンケーキが出来るということです。工夫次第でいろいろできるということなのです。

お肉よりも旬の魚がお買い得

では、同じく生活に欠かせない、肉や魚はどうなのでしょうか。

スーパーイズミ 五味衛社長:
お肉は国産の値段は変わってません。輸入品は随分上がっています。
でも、お肉使うより今、旬のお魚を探して、食べてもらうのが一番お買い得だと思います。

実際に、鮮魚コーナーを見てみると…

――サケの値段は?

スーパーイズミ 五味衛社長:
これは一番大変ですね。毎週毎週上がる。(サケよりも)いま旬のカツオとかサバを買ってもらって、色んな料理をしてもらいたい

肉は値段が上がっていますが、マグロも値段が上がっています。しかし、旬のカツオやカレイは値段が下がっています。なぜ、カツオがこんなに安いのかというと、「海水温が高く、日本近海で多く取れるようになったから」なのだそうです。

季節の変わり目「これから夏野菜はお得」

では、野菜の価格はどうなっているのでしょうか。

――今買っておくべき野菜は?

スーパーイズミ 五味衛社長:
ここですね。(水菜は)50円で。

――普段はどれくらい?

スーパーイズミ 五味衛社長:
普段は98円くらい。半額くらいになってますね。

さらに、食材だけでなく料理に欠かせない調味料も置き換えによる節約ポイントがあります。

スーパーイズミ 五味衛社長:
今まで、180円くらいの醤油が300円くらい(に値上げ)。醤油の代わりにめんつゆを使って煮物などの味付けをしてもらうと値段も変わってませんので、いいと思います。

料理には欠かせない醤油も2倍近く値上がりしているため、値下げとまではいきませんが、お値段据え置きのめんつゆで代用すると安く抑えられるそうです。

他にお買い得なものはあるのでしょうか。

消費者問題研究所代表 垣田達哉さん:
一番のお買い得は、旬のもので国産のもの。カツオというのは、やっと来てくれたんですよ。もう1つは、ブリも結構いいんです。ブリも大蛇行して回遊しているんですが、今年はうまく(日本近海に)来てくれて、ブリとカツオは魚では一番お買い得という感じはします。
野菜もちょうど切り替え時期なんですよ。春から夏ということで、産地の移動、旬の移動は非常に今うまくいってますから、天候次第なんですけれども、これから夏野菜などは結構お得になるのではないかなと思います。

1食302円!値下がり食材で作るリーズナブル料理

そこで、値下がり食材で作れる料理を紹介します。料理研究家の島本美由紀さんに監修していただきました。

こちらの副菜は安くなっているじゃがいもとブロッコリー。豆腐も安定した値段です。メインは今が旬のカツオを使った竜田揚げ。値上がりしている豚ではなくてカツオを使うことで低コスト化。
汁物は副菜などに使った食材をアレンジし、ほぼ、値下がりした食材を使って1人1食302円というリーズナブルな料理です。

旬・国産・収穫後加工するものにも注目を

まだまだ収まらない値上げの嵐の中、これから我々はどういったことを意識して買い物をしていけばいいのでしょうか。

消費者問題研究所代表 垣田達哉さん:
1つは「旬のものは安い」ということと、「国産のものは安い」ということがあります。
あとは、意外と在庫があるもの。例えば、米もそうですが、大豆やアーモンドなどは、収穫したあとそれをどう加工しようかというところにきている。すでに収穫しているので「ではこれは値段安くしよう」ということができるのではないか。ですから、そういったものが加工されてこれから出てきます。お店もスーパーも目玉がないといけないので、そういう価格も注意していただくと安いものが買えるのではないかと思います

(めざまし8「わかるまで解説」6月6日放送)