2023年春に卒業する大学生などを対象にした大手企業の採用面接が、1日解禁された。

全日空は3年ぶりに総合職採用

面接官:
きのうはよく眠れましたか?

学生:
緊張していたから眠れないかなと思いましたが、ベッドに入ったら意外とスヤスヤでした。睡眠不足はないです。

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損保ジャパンは感染対策のため、面接はオンラインのみで行ってきたが、2022年は3年ぶりに最終面接を「対面」で行う。

学生:
対面で実際に働いている社員を少しでも見られる機会というのは、学生として結構うれしいと思うので、そういうところはやっぱり対面があったほうが良いのかなと思います。

一方、全日空は総合職の採用を3年ぶりに行う。採用がなかった過去2年の学生も新卒の対象で、総合職55人程度を採用する予定だ。

リクルートの調査によると、2023年春卒業予定の大学生の内定率は5月15日時点ですでに6割を超えていて、就職活動の前倒し傾向は続いている。

対面とオンラインで内定者のフォロー充実

三田友梨佳キャスター:
「キャスター」取締役CROの石倉秀明さんに聞きます。
2023年春に卒業する学生の採用選考が解禁されましたが、石倉さんはどうご覧になりますか?

「キャスター」取締役CRO・石倉秀明さん:
コロナ禍になってオンライン面接はかなり定着してきたので、オンライン中心の選考はこれからもスタンダードになってくると思います。

一方で最終面接は対面で、となってきている会社もちらほら増えてきていると思います。なのでウィズコロナ時代の採用活動に慣れてきた側面がある一方で、この2年とは違った動きも出てくると思います。

なかでも、去年までと違った動きが出てきそうなのは、内定者へのフォローの活動だと思います。

三田キャスター:
内定者へのフォローはこれまでもどの会社も実施してきたと思いますが、具体的にどう変わっていくのでしょうか?

「キャスター」取締役CRO・石倉秀明さん:
学生への調査を見ると今年はすでに65%の学生が内定を持っていますが、それでも就活を継続する人が多かったり、就活が長期化かつ売り手市場のままです。

そうなると企業としては内定を出した学生に辞退されてしまう可能性が高くなるので、 応募者を集める母集団形成だったり、面接などの選考活動と同じ位、もしくはそれ以上に内定者のフォローや辞退を防ぐことに力を入れる必要が出てきています。

三田キャスター:
確かに、売り手市場の就職活動で学生が企業を選ぶ選択の幅が広がると、企業の採用担当者はその対応に追われることになりそうですね。

「キャスター」取締役CRO・石倉秀明さん:
私も人事で採用担当をしていましたが、年間を通して内定者と食事に行って相談にのったり、一緒にプロジェクトをやったり、密にコミュニケーションをとりながら内定辞退を防いだり関係を作ることに時間をさいていました。

去年までは企業が内定者同士を集めたり、社員と学生を会わせたりが難しくて、内定者の辞退防止対策で何をやっていいかわからないという相談を受けることもたくさんありました。

しかし今年の採用活動を見ると、コロナ前と同じとまではいかなくても内定者を集めて何か親睦をはかったり、社員と学生の接触の機会を作ったりといった動きが復活してきていると感じます。

三田キャスター:
そうしたリアルでのコミュニケーションに加えて、企業が内定者とオンラインで関係を深めていく方法についてはいかがですか?

「キャスター」取締役CRO・石倉秀明さん:
例えば、リモートワークがある程度定着している会社であれば、内定者のうちからインターンという形でリモートワークでアルバイトしてもらって社員とのつながりを作って、内定の辞退を防止する会社も出てきています。

なので、この2年のオンライン一辺倒から対面とオンラインを使い分けた形で、内定者同士あるいは内定者と社員のつながりを作っていく活動はどんどん復活して増えていくと思います。

三田キャスター:
内定をもらった後は安心する一方で、不安や疑問も生まれてくることもあります。入社後のイメージを描けるようなフォローがより重要になっていきそうです。

(「Live News α」6月1日放送)