2022年で110回の歴史を数える、伝統の「全国新酒鑑評会」。福島県が17銘柄で金賞を受賞して日本一となり、初の9連覇を達成した。

日本酒王国・福島県に嬉しい知らせ…9回連続の快挙

2022年5月25日・午前10時。鑑評会の結果がホームページに公表されると、福島県酒造組合の職員が一斉に、都道府県ごとの金賞受賞数を確認。その結果、全国で最も多い17銘柄で金賞を獲得。史上初となる、金賞受賞数9回連続日本一を達成したのだ。

ガッツポーズで喜ぶ福島県酒造組合の職員ら
ガッツポーズで喜ぶ福島県酒造組合の職員ら
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福島県酒造組合・鈴木賢二 特別顧問:
せっかく9までいったわけですから、10まで行きたいなってことで。これで風評が全くなくなるくらいに、お祝いができるようにがんばりたいなと思います

福島県観光物産館では号外が配られ、入口には早くも9連覇を祝う垂れ幕が設置された。

福島県観光物産館・櫻田武 館長:
この2、3年間というのは、コロナ禍でお酒が悪者になってしまったと思うんですよね。お酒の席も極端に減ってしまって、お酒を飲むことがはばかれるような状態になってしまった。今回、金賞受賞数日本一ということで、またお酒が盛り上がって「福島県のお酒おいしいぞ」とみなさんで楽しんでいただいて、地元の経済が盛り上がればいいかなと思ってます

福島県在住:
自分は飲まないんだけど、誇れますね。品質的に優れているってことは素晴らしいことだと思いますね

福島県外の人にも、そのおいしさは知れ渡っていた。

宮城県在住:
福島の日本酒は会津含めて有名じゃないですか。もうね、大したもんだと思ってます

神奈川県在住:
僕は横浜ですけど、福島に時々来ていたので、福島のお酒大好きです。やっぱり水がいいんだろうなぁ

金賞は技術の高さ、品質の高さの証明となる。これまでの結果を改めてみると、圧巻の一言だ。2021年は長野県と同率1位だったが、2022年は2位に4ポイント差をつけた。福島県酒造組合がライバルとして必ずチェックするという「長野」「兵庫」「新潟」などを抑え続けている。

9連覇の始まりとなる2013年は、26銘柄が金賞と突き抜けていた。2012年・2011年は金賞は逃したものの2位。初めて1位をとったのは2006年。その年以降、16回連続で2位以上に入っていることになる。まさに日本酒大国だ。

米どころ・福島の日本酒はどこが違う?

金賞を獲得した17銘柄は、米どころ・酒どころの会津地方が多い。そこで、福島県が9連覇したこの期間に、同じく9回連続で金賞を受賞し続けている次の4銘柄に注目した。

・萬代芳(会津美里町・白井酒造店)
・名倉山(会津若松市・名倉山酒造)
・廣戸川(天栄村・松崎酒造)
・奥の松(二本松市・東日本酒造協業組合)

13回連続・通算20回目の金賞受賞となった名倉山酒造の松本和也専務は「今年はコメの質が非常によく、全体としてレベルが高く、その中での勝負になるので難しい戦いだった」と話す。

なぜ福島の日本酒はこれほど高い評価を受けているのか?福島を日本酒王国に押し上げた福島県酒造組合特別顧問の鈴木さんに、福島の日本酒のおいしさのヒミツを聞いた。ポイントは大きく3つあるという。

ポイントは①米の溶けやすさ確認②絞るタイミング③蔵同士の切磋琢磨

まずは、仕込み段階での「米の溶けやすさ」をチェックしている。米が溶けやすい年・溶けにくい年があるという。溶けやすいからいいという訳ではなくて、ある酒蔵によると発酵度合いの調節など技術が問われるという。

次いで、それを「絞るタイミング」も重要で、早いと変な香りが出て遅いとか香りがたってこない。毎年分析をして、その年のベストを探すのがおいしさにつながる。

そして3点目が、「蔵同士の切磋琢磨」だ。福島県ではみんなで作ろうというのが当たり前になっていて、それが一番の勝因のポイント。蔵同士の垣根をこえて、技術を教えあっている。そして、若い杜氏(とうじ)の台頭で、ベテランの杜氏も負けていられないと好循環も生まれているという。

恵まれた気象条件と人とのつながりも

そして、福島テレビの齋藤恭紀 気象予報士からは、福島の日本酒がおいしい理由として次の4点が挙がった。

・水:雪解け水のミネラルが少ない超軟水。これで軽くてスッキリした酒ができる。
・天気:冬の寒さで程よい発酵スピード。雑菌の繁殖を抑える
・コメ:米どころは酒どころ
・人:作り手の探求心やきめ細かな目配りができる福島の作り手のバイタリティー

自然に恵まれているのは大前提だが、人のつながりや絆が、福島の酒造りを支えている。

(福島テレビ)