朝市に20歳女性がデビュー 干物販売する店の3代目…観光客呼び込むためSNS投稿も【石川発】
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朝市に20歳女性がデビュー 干物販売する店の3代目…観光客呼び込むためSNS投稿も【石川発】

1000年以上の歴史を持つ石川県の観光名所「輪島朝市」。2022年4月、20歳の売り子がデビューした。
「楽しそうに仕事をする母の背中に憧れて」女性の思いに迫った。

平均年齢は65歳超…皆が期待する20歳の新人デビュー

世界農業遺産にも認定されている石川・輪島市。毎日、「こうてくだ‼」(買ってください)と威勢の良い声が飛び交うのが朝市通りだ。

威勢の良い掛け声が飛び交う
この記事の画像(18枚)

朝市の歴史は古く、平安時代にまでさかのぼる。
元々は、神社の祭礼日などに生産物を持ち寄って物々交換していたのが始まりとされる。その後、室町時代には毎月4と9の付く日に市が開催されるようになったという。明治時代以降は毎日、市が開催されるようになり、約360mの通りに200を超える露店が並ぶ姿は観光名所の一つとなっている。

200を超える露店が並ぶ

そんな輪島朝市に、2022年4月に新人がデビューした。南谷美有さん(20)だ。

デビューした南谷美有さん

南谷さんは、朝市で魚の干物などを販売する店の3代目。祖母も母も、この朝市でずっと働いてきた。美有さんは地元の高校を卒業した後、大阪の飲食店で2年間接客業を学んだが、それも朝市で働くため。

3代目  南谷美有さん:
朝早くから夜遅くまで働いて、人と話しているところがすごく楽しそうだったので、自分もやってみたいと思いました

きっかけは母(画像右)に憧れて

輪島市の高齢化率は約45%。朝市にも高齢化の波は押し寄せ、約230人いる組合員の平均年齢は65歳以上。若い美有さんの存在に、周りも大きな期待を寄せている。

デビュー初日 垣間見えた母の凄さ

美有さんの朝市デビューは大型連休初日。この日も多くの観光客でにぎわった。
しかし、美有さんは声をかけることすらできない…。

初日は緊張で声がかけられず

その一方で…

母 良枝さん:
それ、お父さん沖漬けの方。そのまま食べられるよ。お父さん車で来たの?

客:
帰るのに7時間くらいかかるんで

母 良枝さん:
じゃあ保冷剤も入れておくね!

母の良枝さんが客に声をかけると、なぜか飛ぶように商品が売れていく。母はお客さんとの会話を楽しむだけでなく、手際よく商品を詰め、客への気遣いも忘れない。

母良枝さんの会話術はピカイチ

母・良枝さんがデビューしたのは、高校生だった17歳の時。もう約30年のベテランだ。焦る美有さんに、母はこうアドバイスした。

母 良枝さん:
商売は甘いものじゃないよね、初めて会うお客さんに買ってもらう訳やから。まずは明るく「おはようございます」からや

経験豊かな母のアドバイス

有さん:
毎日頑張ります。

美有さんはコツコツ取り組むことを誓う

観光客を呼び込むためSNS投稿も

突如、コンロを囲んだ母・良枝さんと娘の美有さん。

露店のそばでコンロ囲む

母 良枝さん:
朝ごはんタイムです。お腹すいた、お腹すいたって

2人の朝ごはんは…

朝市の開店準備は午前6時頃から始まる。繁忙期は、店先でおにぎりをつまむ程度だが、最近はゆっくり朝ごはんを食べることもできる。新型コロナで観光客が激減しているからだ。そこで美有さんが取り組んでいるのは…

美有さん:
インスタです。インスタに載せようとおもって

写真を撮る美有さん

朝市の組合員の平均は65歳以上。SNSを使いこなせる人はほとんどいない。若者にも朝市へ興味関心を持ってもらおうと、映える写真を載せることを心掛けている。

美有さん:
自分が朝市にお客さんを呼べるような企画も考えたい

SNSに投稿

露店販売だけでない…朝市の「大切な役割」

美有さん:
いってきまーす!

車で2人が向かった先は

店の仕事は露店販売だけではない。2人が向かった先は…

高齢者の客:
助かるわ。このお姉ちゃん(良枝さん)ものすごい人気ある。

高齢者の家を回る

週に2回。高齢者の住宅を20~30軒ほど行商に回っている。

昔から続く行商

高齢者の客:
この商品券でコーヒーでも飲んで!

母 良枝さん:
小遣いやね?ありがとー!

これも代々続く大切な商い。高齢化が進む今、週2回の行商は安否確認の側面もあるという。過去には、家の中で倒れているお年寄りを見つけて助けたこともあるそうだ。

安否確認の側面も

母 良枝さん:
やっぱり人と人との商売やと思うし。じいちゃんばあちゃんに可愛がってもらって行けば大丈夫やと思う

美有さん:
徐々に覚えて行って、母ちゃんみたいになれるように頑張ろうと思います

いつかは母のように

1000年を超える朝市にデビューした期待の若手。偉大な母の背中を、一歩ずつ追いかける日々が続く。

(石川テレビ)

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