オミクロン株に新たな「組み換え体」
「オミクロン株の中のまだ名前がついていない系統が定まっていない組み換え体だと考えていただいて良いと思います。」 東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議は、3月中旬から4月上旬に採取した6つの検体がオミクロン株のうち系統の分類が決まっていない
新たなグループの組み換え体だったことを明らかにした。患者は全員軽症で療養期間を終えているほか、海外との関連はなく市中感染とみられている。東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は、この組み換え体について「どれくらいの感染性かははっきりわからない」との見方を示しつつ「感染性がそれほど高くない可能性はある」として冷静に捉えて頂きたい、と話した。

感染者数、実態より“少なめ”か
「感染状況は拡大傾向にないが警戒が必要である、としました」 新規感染者数の 7 日間平均は、前回の3344人から今回は3580人と横ばいだったが、感染拡大のスピードを示す増加比は前回の減少傾向から一転、増加傾向である107%となった。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、今週の新規陽性者数は、ゴールデンウィーク期間中の休診で検査数の減少したことや、検査報告の遅れ等の影響を受けた数値となっており、報告数の評価には注意が必要である、つまり感染者数が少なめに出ている可能性が高い、との見方を示した。

屋内でもマスク無し「ありうる」
「屋内でもマスクを外していい状況というのは当然ありうると思います」 賀来座長は、屋外でのマスクの着用については「人との距離がある程度保たれている中で、特に子供たちにとって熱中症ってのは非常に大きなリスクになるので、その部分では、私も個人的にマスクは外してもよいのではないかと考えている」と話した。

さらに「屋内でもマスクを外していい状況というのは当然あり得る」との見方をしめし、例として「換気が非常にも良いところで、それほど多くの会話をしないような場所」をあげた。一方で「マスク着用で約50%ぐらい感染のリスクを減らすというようなエビデンスもある」として慎重に検討する必要がある、とも。
「何県の知事はああいって、何県ではああいって、とか、ここは都道府県知事の判断に、最近、よく、この言葉をきくんですが、国として明確にお決めになるのが最初」 小池知事は、科学的知見に基づいて国がマスク着用の“明確な方針”をだすよう求めた。
「相当エネルギーがかかる」
「もともと無理矢理コロナ病床にしたものを取っぱらって元に戻すのは相当エネルギーがかかる」 医療提供体制については、今週新たに入院した患者数及び入院患者数は減少傾向にあり、通常医療との両立を目指して病床を柔軟に活用する必 要がある、とのコメントがだされた。
東京都医師会の猪口正孝副会長は通常病床とコロナ病床の切り替えの“大変さ”とともに「どの病院もついてこれるような方法を考えなくちゃ行けないと言うことでちょっと苦労している」と話した。

第6波感染者は“接種どき”
「ちょっとでもおかしいなと思ったら出勤を控えたり、登校を控えたり、GWを振り返って不安のある人は検査を」 さらに小池知事は「感染後3ヶ月でワクチン接種を、という国も」として「第6波のピーク時に感染した人は今が接種どき」と感染したことがある人にも改めてワクチン接種をよびかけた。 GWに「ウイズコロナ」ができたのかどうかは、来週わかるのだろう。

(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)