寄付や生活物資を届けるためウクライナへ
福岡市の西南学院大学で行われた講演会で、語りかけるような口調で厳しいウクライナの実情を報告する男性。
木村公一牧師:
仮設ベッドを敷き詰めまして、彼らはここで寝ている。人間の安全保障をむしり取られるような仕方で、逃げ惑う人々が1,000万人を超えると言われています
ロシアの軍事侵攻後、ウクライナとその隣国ポーランドに渡った福岡・糸島市の牧師、木村公一さん。
木村公一牧師:
ワルシャワ中央駅の構内はいっぱいです。これみんな避難民です
木村公一牧師:
老夫婦でしたけど、奥さんが本当に失意のどん底、避難所の椅子の上で全然動かない。用事があって1時間くらい外へ出て、帰ってきたらずっとそこにいるとかね
写真に収められているのは、戦争によって日常を突然断ち切られた人々のありのままの姿。
避難民を受け入れている現地の教会を支援するため、木村牧師はリスクを背負ってまでウクライナ入りした。寄付で集まった6,000ユーロ(=約83万円)や、生活物資を現地へ届ける必要があったのだ。
木村公一牧師:
教会の礼拝堂までがベッドで敷き詰められていました
(Q.それでも足りない?)
木村公一牧師:
足りないですね
ウクライナ国境近くのポーランド・ヘウムにある教会。常に100人以上の避難民が身を寄せ合っていた。
「教会ですら銃撃される可能性が…」
ポーランド入りから2日後、向かった先はウクライナ北西部、ルーツクの教会。到着した瞬間、ポーランドとは違う空気を感じた。
木村公一牧師:
印象に残ってますね。この街、人々の心は臨戦態勢だなと思いましたね。横の入口には土嚢が積んである。土嚢って、泥の内側で鉄砲向けてドンパチやるためにある訳でしょ
「避難民の拠り所である教会ですら銃撃される可能性がある」ここが戦場であることを痛感した木村牧師は、滞在先で、ただひたすら避難民の声に耳を傾けた。
木村公一牧師:
遠い東の極東からですよ、私が来たのは。まさに、そこからやって来てね、私は彼らの傍らに佇むということしかできないけれども、「私たちのことを思ってくれている」「慰めと勇気を与えられている」という風に(彼らが言ってくれていると)聞きましたね
「できることは小さなことかもしれない」それでも木村牧師は、講演会などを通じて現地の実情を伝え続けることが、支援の輪を広げることに繋がると考えている。
木村公一牧師:
「対岸の向こうに火事があるよ」というように腕組んでみて、それでいいのかということですよね
一体いつになれば平和は訪れるのか。2700年前に記された聖書の一節に、その答えはあると木村牧師は信じている。
木村公一牧師:
彼らはその剣を鋤に、その槍を鎌に打ちなおす。国は国に向かって剣をあげず、もはや戦いを学ぶことはない。他の国に向かって侵略行為をしない。これが歴史の究極にある目標なんだということの教えなんです。その過程に、プロセスの中に平和があると思っています
(テレビ西日本)